兄さんのおねだり
「ここが真島組かぁ……」
私は、ミレニアムタワーに事務所を構える真島組の前にいた。
「真島さん、手作りのお弁当、食べてくれるかな……」
私が期待に胸を膨らませながらインターホンを押すと、がたいのいい強面の組員さんが出てきた。
「あ、あの、といいますが、真島さんに用があるんですが……」
「はぁ?」とだけ言うと、組員さんは怪訝な顔で中へ消えていった。
(え?会わせてもらえないの?)
私は、弁当箱を握り締めて、閉められたドアをじっと見つめた。
腕時計を見ると、十分経っていた。突然ドアが開いた。目を丸くして驚いた様子の真島さんが現れた。
「ちゃん、どないしたんや!?」
「あ、あのね、お弁当を作ってきたんだけど……要らないよね」
私は、慌てて弁当箱を身体の後ろに隠した。真島さんは、その弁当箱を覗き込み、ニヤニヤと笑い出した。
「そりゃごっつ嬉しいのぉ。ほな、ちゃん。アイツらの前で食わせてくれや!」
←MAIN
←TOP
いろんな龍が如くの夢小説が読めます。
→
龍が如くランキング
真島吾朗と澤村遥の恋愛小説「般若の素顔と極道の天使」電子書籍化しました。無料でお読み頂けます。
→電子書籍サイトのパブー

