真島さんに何と呼ばれたいですか?
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*何も記入しない場合、青山美香になります。



誕生日プレゼント

の誕生日の三日前、真島は組長室のソファに深々と座って頭を抱えていた。
「ハァ〜、ちゃんの誕生日プレゼントどないしよ……」
真島は、今まで腐るほど女にプレゼントを贈っている。だが、その大半は、キャバ嬢やホステスと一緒に買ったもので派手なものばかりだった。に直接何が欲しいか聞けば、サプライズにならない。
「しゃあない!」
真島は、隣りの部屋で働いている若い組員たちのもとへ急ぐ。
「おい、お前ら。堅気の女が喜ぶプレゼントは何や?」
「え?何スか、いきなり、親父?」
「ええから、答えろや!」
「お、俺が彼女に初めてあげたのは、ティファニーのオープンハートのネックレスで、メチャクチャ喜んでくれましたけど」
「お前の女、何しとんのや?」
「保育士っス」
「ほう……。ホンマか」
真島は、腕を組んで真剣な眼差しで組員の話に耳を傾ける。すると、若衆の南が口を開いた。
「親父!俺の妹、大学生なんですけど、彼氏からそのネックレスもろて、えらい喜んで自慢しとりましたわ!」
「そうかぁ。ティファニーのオープンハートか……」 真島は、一点を見つめて呟いた。
「親父、新しい女ですか?」 「お前には関係ないわ、ボケ!」 そう吐き捨てると真島は、事務所を出て行った。

真島が着いたのは、銀座のティファニー本店だった。店内に入ると、「いらっしゃいませ」と言う店員の顔が引きつっている。真島は、ずかずかと店員のもとへ歩いた。
「オープンハートのネックレス見せてくれや」
「は、はい。いろいろ……ございまして、シルバー、ゴールド、ピンクゴールド、プラチナ、それから、こちらのようにダイヤが埋め込まれたタイプもございます」
「ほう……」 真島は腕を組み、顎を撫でながら迷った。はどれが好きなのだろう、と。
「なあ、どれがええと思う?」 真島は、若い女性店員をじっと見つめて聞いてみた。
「お、お相手はどれくらいのお歳ですか?」
「二十歳や」
「まあ、お嬢様へのプレゼントですか?」 彼女は、温かい眼差しで微笑んだ。すると、真島はニヤリと笑い、彼女の顔を覗き込んだ。
「ちゃうんや。彼女やねん」
予想外の答えに彼女は、顔を真っ赤にさせながら、慌ててネックレスをショーケースから取り出した。
「た、大変失礼しました。それでしたら、こちらのシルバーが人気かと思います」
「そうか?せやけど、やっぱりゴールドがええなぁ。そのゴールドにダイヤが入っとるのくれや。ゴールドのネックレスやと俺とお揃いやしなあ」
手渡されたネックレスを手に取ると、真島はがネックレスを着けた姿を想像した。
(絶対似合うで!)
真島は、にんまり笑って、ネックレスを宙にかざした。

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