夜桜
真島組のお花見に誘われたけど大丈夫かな……私は緊張した足取りで上野公園へ向かった。夜の七時に待ち合わせ場所に着くと、桜並木の下で三十人くらいの組員さんが大宴会をしていた。
真島さんは私に近寄ると、
「ちゃん、よう来たなぁ!好きなモン飲み!」 とだけ言って、上機嫌で組員さんたちと飲み始めた。
「えっ?」 ポツンと残された私は、ビール片手に寂しさが増した。
席を外して、涼むためにしばらく歩いてみた。不忍池が見えてきた。満開の桜が池に沿って咲き誇っている。
「ハァ。私、一人で何してるんだろう……」 私は桜の下でぽつりと呟いた。
「こんなとこにおったんか。探したで。何やその顔?」ハッとして我に返ると、けろりとした顔の真島さんが立っている。
私は横を向いて唇をとがらせた。
「寂しい思いさせて悪かったのぉ。せやけど、怒った顔のちゃん、桜色で綺麗やで」
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