「最近の若者はよく斬れる・・・。」



■若者の特徴。
 眼鏡をかけている。
 頭髪に無頓着である。
 身体能力に優れている。
 孤独である。
 半裸である事が多い。
 女性である。
 敵が存在するようである。


 故に刃物を用いている。


■若者の過ち。

若者を責めてはいけない。斬れる理由があるからだ。

若者が好んで使用するナイフ。形状はボウイナイフ。やや小ぶり。細部に意匠がこらしてある。思い入れがあるようだが詳細は不明。

若者は駆ける。薄く張った血溜まりを。それが若者の日常。

若者が時折、対峙している若者。男性である。手にしている凶器は、材質、用途、出所など全て不明。別の凶器も隠し持っているようだ。

何かの巣のようにも見える。捕らわれているわけにはいかない。

追い詰められる若者。退路を絶たれ、袋小路で見た光は希望の光か、それとも刃の冷光か。

衝突。稲光のような力の凌ぎ合い。各々が接触すれば、いや、するだけで若者の無事は保障できない。だが、気に病む者など誰もいない。

底を這う若者。冬の堤に住まう大魚が、時折体をうねらす。若者の歩みはまさにそれの様だ。そう、久々の獲物にゆっくりと近づいていく。

 フォッシズマキジョウスキー。聖なる刀剣を手にする若者。慈悲など存在しない。

まさにその時、若者はキレた。空を切り裂くプッシュダガー。刃渡り5.5cm以内。

私は若者に尋ねた。「その腰のものは?」 若者は腰のシースからそれを抜き取ると、指に引っ掛け楽しげに揺らした。そして、突然、横一文字に薙いだ。

男は若者を探していた。その凶器は、若者のために作られた凶器。

ひたりと若者の肩に刃の背が当たる。越えられそうで越えられない力の差。今日も若者は地に這い蹲り生きていく。

湧き上がる感情はひとつ。怒りのみ。若者を爆心地とし、辺りを一掃していく。

幼き若者。善も悪もない。師は若者を預かり、持てる全てを叩き込んだ。善も悪もない。

疾風。風は、二度三度と体を撫でる。なぜ風に逆らうのか。身を任せればこんなにも楽なのに。

若者も師の元を離れるときが来た。まだ小さいその手に渡されたナイフは、フェアリースメル。妖精の臓腑の臭いが染み付いたナイフ。修了の証。

今、守るべきものは自分の命。命さえ守りきればそれで良い。手足に突き刺さったクナイは、意識があればいずれ自分で抜き取ればいい。

若者は空を突き刺し、こう言った。「こうすれば天に居る神だっていずれ死ぬ。」 微動だにしない若者。やがて、青い空は真っ赤に染まっていった。

おかしい。若者はさっきまで真っ直ぐ立っていた。身をよじり、元居た場所を睨みつける。どんどん離れていく。もう届かない。

ひたひたと水辺を散策していた若者。突如舞い上がる水飛沫。ナイフを逆手に返し、獲物を狩る。今日のご飯は魚カレー。

何をやっても上手くいかない時ってあるよね。いつもだけど!

おねえちゃんこわいよう。

疾走しそう。