後半。





見事敵を打ち倒すも、謎の体調不良により両膝をついてしまったセサミン 。いったい何が起きてしまったのか?!

コエンザイムQ10「ちょっと、どうしたのセサ・・・ミ・・・。あれ・・・?」

セサミンを抱き起こそうとしたコエンザイムQ10も眩暈とともに床に伏してしまった。

横川さん「これはただ事ではないですね。原因は・・・、まさか先刻のウイルスですか?」

ゴマフアザラシ「馬鹿な!あのウサギくんは間違いなくセサミンが倒したはずだ。それと同時にウイルスの影響も消滅するはずだ。」

横川さん「現にこうして影響が現れています。 考えられる原因はいくつかありますが、最も可能性が高いのが・・・。」

???「真の敵が潜んでいるってことだよね。ふふふ。」

猫毛を撫でたときのような軟らかく艶のある声が全員の頭の中で響く。

ゴマフアザラシ「おのれ、どこに居る!くそ!気配を感じるが、姿が見えん!」

???「どこにいるって?そりゃ見えないよね。君たちの中に居るんだもん。」

横川さん「・・・なるほど、参りましたね。どうやら私と同じの微生物集合体タイプ、ウイルス本体が敵だったというわけですか。」

???「同じ?一緒にしないでよ。君と違って、もっと深くまで食い込んでるよ。遺伝子レベルまでね。ほーら、そろそろ発症するよ。ふふふ。」

セサミン「ばっ・・・かに、しないで、よね!魔法強度を限界まであげて・・・追い出して、や・・・。」

夢のなかにいるような朦朧とした意識をねじ伏せ、震える両足で立ち上がり魔力を収束させるが

コエンザイムQ10「セサ・・・ミン・・・!」

セサミン「あああああ!」

???「あはは、始まった!」

セサミン、コエンザイムQ10が大きく仰け反り悲鳴を上げる。視界は狭くなり、天井がどんどん遠くなる。

ゴマフアザラシ「ぐ・・・!われわれも感染していたか!ぬう!外装状態を保っていられぬ!」

ゴマフアザラシたちも外装が解除され、サポートマスコット状態に戻ってしまった。
セサミンたちは、もう悲鳴もあげていない。口を大きく開き喘いでいる。唇はひび割れ、口内も赤黒い潰瘍が膿を溢れさせ喉の奥を満たしている。叫びたくても叫べないのだ。焦点の定まらない瞳は、白目と黒目が逆転し、やがて黄色く染まり、潰れた。耳から鼻から肛門から性器から、穴という穴からタールのような悪臭を放つ汁が止め処も無く滴る。でたらめに暴れる手足は、強く床に叩きつけられる度に真皮の下の水泡が破れ、傷んだ筋肉繊維を露出させる。骨の砕ける音も時々聞こえる。全身が、壊れていく

横川さん「なんてことだ・・・。なんて・・・。」

セサミンたちの体は崩れ、黒い沼をつくり制服だけが真ん中に浮いている。

???「だよね、だよね!ひどいよね!でもね、魔法少女の奴らは僕らウイルスにもっと酷いことしてきたんだよ!あっはは!ほらほら、もう終わるんじゃないかな。」

ゴマフアザラシ「終わる?ぬう、ここで終わりなどには・・・、む?」

そのとき、制服がもこりと盛り上がった。何かを探るように袖から白く健康的な指先を覗かせた。

横川さん「ぶ、無事だったんですね。お二人とも!」

コエンザイムQ10「う、うえ。なんかひどい夢をみてたような・・・。」

むくりと二人が起き上がる。しかしその姿は。

セサミン「はう。なんか天井が高いような。・・・な、なんじこりゃあ!!」

やべえ、二人の姿は児ポ万歳 、ょぅι゙ょ出し丸。つーか丸。

???「これこれ、これだよ!僕の力!粘膜感染により、宿主をすべて10歳の幼女に変えてしまう。
 Saihateno
 Kunihayoujono
 Rakuenka
 virus
すなわちSKRウイルス!!」

セサミンたちの黒い残り汁が一箇所に集まり、人の形を作ってつく。

SKRウイルス 「君たちの力をだいぶん頂いたからね。ようやくこの姿でお目にかかれるよ。」

ゴマフアザラシ「なんてことだ。ウサギ君からすでに罠だったということか。」

SKRウイルス「そんなことは無いよ。ほんとは精力全開の雪兎さんにウイルスを撒き散らして貰う予定だったんだもん。さすがは魔法少女だよ。でもね。」

SKRウイルスは幼くなった魔法少女をちらりと見る。

SKRウイルス「今はそうでもないよね!」

コエンザイムQ10「うわわ!こっちに来た!」

セサミン「普通に殴ってきた!こわ!」

棒状の何かを振り回し襲ってくる SKRウイルスから這う這うで逃げ惑うセサミンたち。魔力を大きく失った彼女たちに反撃の術は少ない。程なくしてすみっこに追い詰められた。

SKRウイルス「さあて、逃げ場は無いよ。どうしようかなあー。まずはそっちの黒いの。皮でも剥いで剥き出しにしてやろうかな。」

コエンザイムQ10「ひぎい!?

SKRウイルス「んで、白いほうは、もうひとつ奥の部屋に強引に入れてやろうかな!」

セサミン「おごお!?

SKRウイルスは、がつんと杖のようなもので床を鳴らして、二人に切先を向けた。

SKRウイルス「よーし、とりあえずは動けないように手足を・・・。」

杖に禍々しい光が集まる。当たれば血が出る系の攻撃が放たれる!

がしゃああん!!

その瞬間、窓ガラスが割れて何かが飛び込んできた。

???「そこまでだああーっ!」

SKRウイルス「くっ!何?!」

構えていた杖が弾かれ、床を滑り壁際まで転がった。何者かが法衣を翻し、SKRウイルスへと向き直った。

???「わたしは現健康魔法少女クロレラ!! ケフィア王女の命を受け、今年度の人事異動でこの町内の健康管理を任命されました。とほほ。」

そう、時代は移り行くもの。今という時を築いてゆく者は、いつの時代も現役の幼女なのだ!

コエンザイムQ10「おそいよクロレラ!」

ぷりりと怒るコエンザイムQ10。それをクロレラの陰から現れたサポートマスコットの黒豹が弁解する。

黒豹「ごめんなさいね。 登場シーンは、窓ガシャーンか、机の引き出しからか相談していたのよ。」

セサミン「画面の中からがいいと思うよ!」

クロレラ「遅れてすみません先輩方。大丈夫で・・・、うわあ!なんでロリーンなんですか?!」

ゴマフアザラシ「奴だ!あのSKRウイルスこそが今回の騒ぎの元凶だ!」

SKRウイルス「ふ、ふふふ。あははは!魔法少女が3人も!探して潰す手間が省けたよ!」

クロレラ「私はそこの年寄り方のようにはいきませんよ!」

コエンザイムQ10「うるせえよ。」

セサミン「いつもすまんのう。」

SKRウイルスが舌打ちし、クロレラの懐へ飛び込む。クロレラはそれをくるりと交わし、背後から攻撃を加える。 直撃した威力でSKRウイルスはよろめいた。

SKRウイルス「ばかな、その程度の力で僕が圧倒されるはずは・・・?!」

クロレラ「君がウイルス体ということは、横川さんから聞いていました。あいにくですね、わたしも同じような力なんですよ。」

SKRウイルス「ま、まさか?!」

SKRウイルスは両手で自分の体をまさぐり状態を確認する。体中に異物感。力が入らない。

クロレラ「はい。一番最初に君の体に魔力を込めたクロレラ細胞を注入しました。いまごろウイルスを食い荒らしてると思います。」

徐々にSKRウイルスを形作っていたものがはらはらと崩れ落ちていく。

SKRウイルス「なんで・・・!なんでこの僕が魔法少女ごときに・・・!!」

ゴマフアザラシ「なぜそこまで魔法少女にこだわる?・・・そうか貴様、本当は、魔法少女になりかたかったのではないか。」

SKRウイルスは体の綻びを戻そうと足掻く手がとまり、思い出したかのように顔を上げる。

SKRウイルス「僕は・・・。僕は・・・っ!!」

セサミン「お前が消えていく前に、ひとつだけ言っておきたいことがあるの。」

ぶかぶかの制服の裾を持ち上げ、セサミンは立ち上がる。

セサミン「ちんこがある奴は魔法少女になれねーんだよ!!」

SKRウイルス「わぁい!

塵となり、開かれた窓から風とともに霧散するSAKURAウイルス。ほの暗い塵で出来たうねりは、秋空の高い雲のようにおちんちんの形を作り、サクラウイルスは橙色の空に消えた。そのおちんちんは涙を零しているようにも見えた。涙というか、まあそんな感じの儚げな、さくらちゃんウイルスの液体。

Qタン「勝ったわね。って、私たち子供ちゃんのままなんだけど。」

てんてん「ん。数年経てば元に戻るんじゃないの?」

Qタン「いいのかそれで?」

ゴマフアザラシ「構わんだろう。むしろ小娘の脳と乳房の発育具合に合わせると、それくらいの肉体年齢が妥当だろうな。クァーックァーックァーッ!(笑)」

てんてん「よし、予定通り活きのいいウサギも2羽手に入ったし、今日は豪勢な鍋になるぞう 。」

ゴマフアザラシ「キュー!」

かくして、今日も勝利を収めたセサミン一同。しかしその勝利は棒状の肉の前では成し得ないという、辛い教訓を得るものでもあった。あと、男の娘は認めないという手遅れの絶対の意思による無敗劇だったことも心の隅に留めておいてほしい!


クロレラ「これはクロレラスピンオフもあるで。」

黒豹「無理じゃない?」

(゚д゚)ゝ:ねーよ!!