太腿のブツブツが治ってから

痛みが出てきました。

 

  ←帯状疱疹後神経痛の可能性あります。

 

2010826日付け

日本海新聞うさみみ「うさみみメディカル」寄稿をベースにまとめてみました。


【質問】

最初太ももの内側に汗疹の様な湿疹ができ、痛みもなく数日で治り安心していたら、その後何週間も過ぎてから、足の付け根辺りに痛みが出始めずっと続いています。これって帯状疱疹だったのでしょうか。早く治療を受けておけばよかったと後悔しています。今は市販の鎮痛剤を1日数回服用しないと痛みに耐えられません。何か良い治療法がありますか。よろしくお願いします。

鳥取ペインクリニック

トップページへ戻る

'痛みでお悩みの方'へ

戻る

回答】


確かに痛みの強い帯状疱疹には、

早めの疼痛治療が大切です。


 

 お尋ねの状態は帯状疱疹後神経痛の可能性があります。人の身体には見えませんがシマウマの様な縞があり、脊髄から枝分かれした神経が一本一本つながっています。帯状疱疹は脊髄からでた神経の枝の一本に巣くいますので、通常その一本の縞に沿ってブツブツが出るという性質があります。

 太腿の内側でしたら、腰痛の2番目、外側でしたら3番目の神経に、帯状疱疹ウィルスが巣くっていたということになります。しかし、1ヶ月も過ぎる頃になると、ウィルスは残ってはいるものの元気は無くなり、ブツブツもおさまってしまいます。元々、子供の時にかかった水痘というブツブツの病気のウイルスが、ずっと神経に潜んでいて、今回、頼みもしないのに顔を出してしまったというわけで、水痘ウィルスは帯状疱疹ウィルスと同じものです。

 今回、このように元気の無くなったウイルスは、水痘が一度潜んでしまったように、すべての人の体に共存状態で潜んでしまいますので、抵抗力が落ちた場合などは、頻度は少ないですが、また再発の可能性は残ります。とはいえ、今回の皮膚のブツブツは治りましたから、それはよいことです。やっかいなのは、痛みがその領域に残ってしまうことです。

 お尋ねの場合は、最初は痛みがなかったのですから、早い治療といても、殆どの方が、帯状疱疹だから直ちに治療を・・・といって、即対応できるかといえば、実際のところはなかなか難しいのではないでしょうか。帯状疱疹には、最初の2週間くらい痛みがなくとも、ジワ〜と痛みが出てくるタイプも少なくありません。痛みが出てきた段階で、早めに治療をお受けになる、ということが肝心です。

 

帯状疱疹は帯状疱疹後神経痛になると治りにくい

 

 現在の状態は、帯状疱疹のブツブツが治ってから、痛みが続いている状態ですから、これは帯状疱疹後神経痛として、帯状疱疹とは区別しています。帯状疱疹から帯状疱疹後神経痛に移ってしまわないようにすることが最初の大切な目標です。「帯状疱疹」と「帯状疱疹後神経痛」は途中まで言葉が同じなので、親戚のような病気と思われがちですが、治りやすさという点で、かなり違います。そこに、早めの治療の大切さがあったわけです。

 お尋ねの件では、その意味では、すこし不利な点となりました。しかし、そうかといって治療法が無いわけではありません。治療を的確にお受けになることです。

 

いろいろなタイプの帯状疱疹があります

 

 厳密には太腿の内側と足の付け根は少し縞の場所が異なりますので、他の特に脊椎由来の痛みについての検査も必要かもしれませんが、帯状疱疹には複数枝や無疹性、短期再発といったタイプの異なる帯状疱疹もありますので帯状疱疹としても要注意です。帯状疱疹の時期の早期治療も大切ですが、帯状疱疹後神経痛に陥ったにしても、長引けば長引くほど治りにくくなりますので、最近登場した有効性の高い内服薬や神経ブロックを含めた積極的な疼痛軽減治療をお薦めします。お近くのペインクリニック科・麻酔科・痛みの診療科へお尋ねください。