みんなでつくる顔の見えるまち・若葉台
(人権教育研究発表会より)


「みつけた!」
「ここにもあるぞ」
 今日は、「ワンワンうんこなくし隊」の活動日、置き忘れて始末されていない犬の糞がどこにどれだけあるか調べて回るのです。 「住んでいる人どうしがもっと親しくしていたら、こんな無責任なことはできないのに。」 そう思うと、残念というより、さびしい気持ちがこみ上げてきます。

 みなさんは、「おやじの会」を知っていますか。 子どもたちとのふれあいを通じて、若葉台のみんなで子どもたちを育てること、人々が交流を通してつながりを深めることを目的として若葉台の三十代から五十代の人でつくっている会です。 毎年正月に若葉台小学校の児童げんかんをかざる門松を作ったり、一輪車の点けんしゅうりをしたり、きもだめしや工作教室なども行っています。 また、花だんを造ったり、木を植えたり大池のまわりの草刈りなどにも取り組んでいます。
 今から五年前のことです。
「もっと、地いきの人が気軽に話ができるような若葉台にしたいなあ。」
「わが子、よその子の区別なく声をかけ、子どもたちを地いきの人みんなでつつみこみ、育てるようなまちにしたいなあ。」
といった話が出ました。 その話がきっかけとなり、つくったのが「おやじの会」です。
小学校のビオトープを造ったときのことです。 池の底にしくねん土やシート、木材、土をほる重機など、お金がない中、いろいろな所にお願いしてじゅんびしました。 ビオトープ造りをするので、集まってほしいという文書も前もって作りました。 子どもたちや地いきの人、保護者の方がたくさん集まってわいわい言いながら造る様子を想ぞうすると、わくわくしました。
 当日、心配していた雨もなんとか上がり、わたしは学校に出かけました。 役員さんや、子どもたちも数名集まっています。 思ったより集まりがわるいな・・・。 でも、その内もっとたくさんの人が来てくれるだろうと思いなおし、作業にとりかかりました。 土をほり、シートをしいて、その上にねん土をはり、周りに木を植え・・・。
 「やった、完成だ。」
みんなの協力でビオトープが完成したときのうれしさは、今でもはっきり思い出します。 でも、残念なことが一つありました。 それは、役員さんや役員さんの子どもたち以外、進んで参加した人があまりいなかったことです。 子どもたちの学校のビオトープです。 なぜもっと集まってくれないのだろうと思うと、残念でなりませんでした。
 せっかく行事を計画しても、人が集まらない、そんなことは一度や二度ではありません。 また、仕事がいそがしく、行事のじゅんびがなかなかできないことがあります。 じゅんびができても計画通り行事が進まないこともあります。 そんなとき、「こんな活動やっていて意味があるのだろうか」 「これで食べているわけじゃない、もうやめてしまおう」と何度考えたかわかりません。 それでも声をかけ合いみんなで子どもを育てる地いきにしたい。 みんなが交流を深め、仲のよい、そして、うつくしい若葉台にしたい。
まだ、若いまちだからこそ、今自分たちがよい伝とうと文化をきずいていかなければ、と強く思います。 それに、いっしょに活動している仲間、そして、なによりも子どもたちや地いきの人の楽しそうな笑顔を考えると、投げ出すわけにはいきません。

 先日、近所の人に
「がんばっておられますね。 若葉台に引っこして来た時には知り合いがなくて不安でしたが、「おやじの会」の活動に参加して、知り合いがふえました。 今では、会えば気軽に話ができる人がふえてうれしく思います。 私たち一人一人が若葉台をつくっているのだから、もっともっと交流を深め、気軽に声をかけ合えるようなまちにしたいですね。」
と、言われました。 がんばってよかった、と本当にうれしく思いました。 これからも、おやじの会の活動を一生けん命続けていきたいと思います。

 「顔の見えるまち」・・・もっと一人一人が顔見知りになって、気軽に声をかけ合えるような、つながりのあるまちのことです。
 みなさん、若葉台をどう思いますか。 「顔の見えるまち」になるよう、みんなでがんばっていきましょう。


*上記の文章は「平成18・19年度 鳥取市教育委員会同和教育研究指定校指定事業」となった、若葉台小学校・4年3組 有田教諭による道徳学習指導資料を、許可の上、掲載したものです。


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