Please Please Me


【レコーディング・セッション履歴】 【収録レコードリスト】
【レコーディング・セッション分析】
【リマスター・モノ】 【リマスター・ステレオ】
【Undocumented Recording Session(1999年原稿)】

【レコーディング・セッション履歴】
62/09/04ロン・リチャーズリハーサル 順不同(この時は全6曲リハーサル)
62/09/11ロン・リチャーズノーマン・スミス
不明
Recording テイク数不明、スローテンポバージョン
62/11/26ジョージ・マーティンノーマン・スミス
不明
Recording リメイクの第1〜18テイク(ハーモニカの編集パート込み)
62/11/30ジョージ・マーティンノーマン・スミス
不明
Mono Mixing テイク番号不明
63/02/25ジョージ・マーティンノーマン・スミス
A.B.リンカーン
編集 第16、17、18テイクより編集
63/02/25ジョージ・マーティンノーマン・スミス
A.B.リンカーン
Stereo Mixing 第16、17、18の編集バージョンより
レノン('80 PBインタビュー):これは完全にぼく。ロイ・オービソンの曲を書こうとしたらできたんだよ。君、信じられるかい?書いた日は憶えているよ。メンラブ・アヴェニューにあった叔母の家のベッド・ルームだった。ベッドにはレースのカバーがかけてあったな。ラジオでロイ・オービソンが「オンリー・ザ・ロンリー」を歌っているのを聴いていた。その頃、ビング・クロスビーがこんな風に歌ってたのに魅かれていた。(歌う)♪プリーズ、君の小さな耳をぼくの願い事に貸しておくれ♪プリーズを(別の意味で)2度使うところがいいんだ。だから、この曲は、ロイ・オービソンとビング・クロスビーのコンビネーションなんだよ。

VIC GARBARINI('98 インタビュー:Player 2000/1月号):最初の頃には、あなたが曲のアレンジをがらりと変えてしまうこともありましたよね。「プリーズ・プリーズ・ミー」のテンポを変えたり、「キャント・バイ・ミー・ラヴ」のヴァースとコーラスをひっくり返したりといった変更は、重大なものだったのでしょうか、それとも単なる化粧程度のことだったのでしょうか?
GM:「プリーズ・プリーズ・ミー」のスロー・バージョンは、ビートルズが62年6月に持ってきた時には、正直言って陰気で退屈な曲でした。彼らとしてはロイ・オービソン風を狙っていたのですが、テンポが遅すぎてもの悲しく聞こえました。それでは一般大衆の心をつかむことは出来ないと思ったので、退屈であると感想を話して、“テンポを2倍にしたら、どうにかなるかもしれないね。考えてみてくれないか”と言ったんです。その頃、私はビートルズ初のヒット作とすべく、「ハウ・ドゥ・ユー・ドゥ・イット」をレコーディングしようと決めていました。しかし、彼らはこの曲を気に入らず、ジェリー&ザ・ペースメイカーズに譲ってしまったんです。私達はビートルズのバージョンを見つけ出して、『アンソロジー』の1枚目に収録しましたけどね。それで、彼らは「プリーズ・プリーズ・ミー」のスピードアップ・バージョンを作り、かわりにこれを発表出来ないかと言って来たんです。今度はヒットするような感じのサウンドになっていました。ギターのイントロが付いていましたが、私はジョンのハーモニカが好きだったんで、そのほうがいいだろうと感じました。

【収録レコードリスト】
“GET BACK JOURNALS” Q01b (11LP:2R-7?-?)
“The Beatles/1962-1966” A02 (2LP:EAP-9032B)
UK stereo mix “The Complete John Barrett's Cassette Dub” A04 (7CD:---)
“SONGS FROM THE PAST” A08a (CD:RC871968) ポールのピアノ・デモ
63/4./? “DOCUMENTS VOL.1” A18b (CD:DR 027 CD) Around The Beatles
STEREO “PAST MASTERS VOL.6” A01 (CDR:EMRCD-004)
62/9/11版 “ANTHOLOGY 1” A24 (2CD:TOCP-8701,02)
62/11/30版モノ・ミックス “Please Please Me” A01 (CDシングル:TODP-2122)
62/11/30版モノ・ミックス “PLEASE PLEASE ME” A07 (モノLP:PMC 1201)
62/11/30版モノ・ミックス “PLEASE PLEASE ME” A07 (モノLP:EAS-70130)
62/11/30版モノ・ミックス “PLEASE PLEASE ME” A07 (CD:CP32-5321)
62/11/30版モノ・ミックス “THE BESTLES' HITS” A03 (CD EP:TOCP-7101)
62/11/30版モノ・ミックス “The Beatles/1962-1966” A02 (2CD:TOCP-8010,11) CD用編集
62/11/30版モノ・ミックス “PLEASE PLEASE ME” A07 (CD(リマスター・モノ):5099969945229)
63/2/25版ステレオ・ミックス “PLEASE PLEASE ME” A07 (ステレオLP:MFSL 1-101)
63/2/25版ステレオ・ミックス “THE EARLY BEATLES” B1 (ステレオLP:ST-2309)
63/2/25版ステレオ・ミックス “The Capitol Albums, Vol. 2 Disc1” A07 (CD:CDP 0946 3 57498 2 3)
63/2/25版ステレオ・ミックス “The Capitol Albums, Vol. 2 Disc1” A18 (CD:CDP 0946 3 57498 2 3) モノ落とし
63/2/25版ステレオ・ミックス “PLEASE PLEASE ME” A07 (CD(リマスター・ステレオ):0946 3 82416 2 1)
64/02/11 “BEATLES WASHINGTON '64 VANCOUVER '64” A07 (CD:WN 3001) Live @ Washington Coliseum
64/02/23 “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.1 Disc2” A13 (CD:YDB-102) エド・サリバン・ショー
64/4/19 “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.1 Disc3” A08b (CD:YDB-103) アラウンド・ザ・ビートルズ

【レコーディング・セッション分析】
ジョンJ-160Eギブソン J-160Eは、アンプを通したものがトラック1に入っているが、 ボーカルマイクが拾った音(意図的な録音かも)がトラック2に入っているようだ。
ベースとユニゾンになるオブリガードの音から察するに、ジョージもJ-160Eを弾いていると思われる。
ハーモニカのオーバーダビングモノ・ミキシングしながら行われたことは ステレオ・バージョンのハーモニカのトリックから明らかである (63/02/25の時点では2トラックのレコーディング・テープは残されているが、 ハーモニカの音はモノラル・バージョン自体しか存在していなかったと推測できる)。
 モノラル・バージョンの編集手順としては、
① マスターとなる複数の2トラックテープをモノ・ミキシングする図 PPM-1
② それらをテープ編集して1本のリミックス・モノを作成する図 PPM-2
③ リミックス・モノを再生しながらハーモニカを録音し、ハーモニカの編集パートを作成する図 PPM-3
④ ハーモニカの編集パートをリミックス・モノの該当箇所と差し替える図 PPM-4
という、ごく一般的な録音〜編集方法である。

一方、ステレオ・バージョンは、
① マスターとなる複数の2トラックテープをステレオ・ミキシングする図 PPM-1と同様
② それらをテープ編集して1本のリミックス・ステレオを作成する図 PPM-2と同様
③ リミックス・ステレオモノラル・バージョンのハーモニカ部分をSIする図 PPM-6において、録音用のテープレコーダーは図 PPM-5の状態にしておく
と考えられる。”ハーモニカ部分をSI”がテープ編集でないことは、 ハーモニカに続くボーカル部分がF.O.しながら重なっている箇所があることから判断できる。
ジョンを呼んで演奏してもらった方が簡単そうだが、63/2/20の時点他の曲にピアノのSIを行った日では ビートルズが忙しくなって余裕が無かったのか、ステレオ・バージョンに労力を掛けたくなかったのだろう。
なお、このような作業は各テイクのテンポが一定していなければ不可能であり、リンゴのドラミングの正確さを証明し ている。逆にこの作業の被害を受けたのがジョージで、1’17”のギターリフは未だにミストーンと言われている が、実際には、ステレオ・バージョンの基となったテイクには装飾音たっぷりのギターが入っており、ハーモニ カ編集パート(モノ・バージョン)に入っていた普通のギターと重なったためにミストーン風になっているので ある。

【リマスター・モノ】
相違箇所内容
0'00"1拍目(E音)直前のノイズ除去
0'20"2拍目裏(E音)直前のノイズ除去
0'22"4拍目('come')直後のノイズ除去、以下略
0'27"4拍目('p(lease)')のボーカル修正
0'55"4拍目と続く1拍目('p(lease)')のボーカル修正
0'58"4拍目('p(lease)')のボーカル修正
1'10"3拍目('p(lease)')のボーカル修正
1'40"4拍目('p(lease)')のボーカル修正
1'41"('p(lease)')のボーカル修正
1'44"ハーモニカの入る直前部分のノイズを削除

【分析】
 リマスター・モノ・バージョンのノイズ除去には、1分16秒(2拍目)や1分23秒(1拍目)のように、挑戦してみたが(軽減しているが)除き切れなかったものもある。

【リマスター・ステレオ】
相違箇所内容
0'02"2拍目に金属音
0'09"'w(ord)'のボーカル修正
0'17"'t(ry)'のボーカル修正
0'27"'p(lease)'のボーカル修正
0'32"2拍目で編集位置の補正
0'58"'p(lease)'のボーカル修正
1'16"2拍目で編集位置の補正
1'21"'s(aid)'、'w(ord)'、'm(y)'のボーカル修正
1'30"〜1'40"1分30秒(1拍目)〜1分40秒(1拍目)のバスドラムを修正
1'43"4拍目のスネアを修正

【分析】
 リマスター版ステレオ・バージョンの1分30秒〜1分43秒のスネアとバスドラムの修正は、右チャンネルのボーカルのバックにあった音(ボーカルマイクが拾った音)を左チャンネルに移動させたものである。
原音が左チャンネルに入っているので、ステレオ再生に適していないのであれば削除するだけでも良さそうである。
が、わざわざ左に移動させているところに、「ビートルズが出した音は勝手に消さない」というポリシーが感じられる。

【Undocumented Recording Session(1999年原稿)】

リリース・バージョン(STEREO:第16テイク〜第18テイクの編集バージョンより、
MONO:テイク番号不明の編集バージョンより)

63/2/25版ステレオ・ミックス “1962-1966”(ステレオLP:EAP-9032B)

マスターテープ構成

Track 1 ベース、ドラムス、ジョージのEギター、Eギター
Track 2 ジョンのボーカル、ポールとジョージのコーラス、ジョンのAギター、ハーモニカ他(モノラル・マスターより)

比較結果

ジョージの弾くリフはオクターブ奏法で な感じ。
 ジョンのAギター(ギブソン J-160E)は、アンプを通したものをTrack1に、ボーカルマイクで意図的に録 音したものがTrack2に入っているようだ。

 CDは4種類あるが、各々が微妙に違っている。赤盤CD(TOCP-8010〜11)の左チャンネルの音が右チャンネル に対して1/44100秒だけ遅れている点、また、モノEPのCD版(TOCP-7101)だけが左右全く一緒で正真正銘の モノラルになっている点は‘Love Me Do’と同じである。CDアルバム(CP32-5321)とCDシングル(TODP-2122) は1’57.3”まではデジタル的に同一データである。しかし、ラスト2秒程はCDシングルの方が先にF.O.を始め るため、CDアルバムの方が演奏時間が長くなっている。赤盤CDは、1’44”のジョンが裏声で歌う‘you’が差 し替えられており、続く2拍目のハーモニカから元に戻る。モノLP(EAS-70130)やCDアルバムにはそのような 違いは無いので、赤盤CDのみのテープ編集らしい。

 モノ・バージョンとステレオ・バージョンの比較は、耳で聴いてもわかりやすいものを挙げただけで、基本的 に別バージョンである。ただしハーモニカの編集パートは同一である。編集個所はハーモニカの鳴り始めから鳴 り終わりまでであるが、1’00”の個所だけはドラムソロ部分まで含めてサビの先頭で編集している。
モノラル・バージョンの編集手順としては、マスターとなったテイク(複数の可能性が高い)を再生しながらハーモニカを 録音し、ハーモニカの編集パート(音質劣化を防ぐため、この時点でモノラルと思われる)を作成し、 それらの必要な部分を切り貼りしてマスターテープを作成するという、ごく一般的な録音〜編集方法と思われる。
一方、ステレオ・バージョンは驚きの作成方法である。まず基本となる別テイクを選択し、 前述のハーモニカ編集パート(実際にはモノラル・マスターと思われる)をオーバーダビングしている。 従って、ハーモニカが登場する個所ではすべての楽器がダブルトラックとなっており、 2コーラス目ではミキシング・ミスなのかボーカル部分も少し重なっている。 更に、最後のリフレイン部分ではボーカルのバックでハーモニカが鳴っているため(イコライザーで影響を最小限にしたとは思うが) モノラル・バージョンのボーカルがステレオ・バージョンのボーカルのエコーであるかのように聞こえる。
ジョンを呼んで演奏してもらった方が簡単そうだが、63/2/25の時点ではビートルズが忙しくなって余裕が無かったことを示している。
なお、このような作業は各テイクのテンポが一定していなければ不可能であり、リンゴのドラミングの正確さを証明し ている。逆にこの作業の被害を受けたのがジョージで、1’17”のギターリフは未だにミストーンと言われている が、実際には、ステレオ・バージョンの基となったテイクには装飾音たっぷりのギターが入っており、ハーモニ カ編集パート(モノ・バージョン)に入っていた普通のギターと重なったためにミストーン風になっているので ある。
MONO(CP32-5321)* STEREO(MFSL 1-101)


0'14":“I know 〜”の小節の1拍目にギターコード
0'22":“Come on 〜”の小節の4拍目にベース音
0'00":イントロ
0'07":Aメロ1


0'35":Aメロ2
1'02":サビ
1'20":Aメロ1

1'51":エンディング





1'02":“I don’t 〜”の小節の1拍目のベース音が半拍遅れている
1'45":ハーモニカをオフ気味にミックスしているがボーカル他がダブル・トラックになっている

Wave Synchronizer設定

モノ VS ステレオ 収録盤 無効データ数(相違点:右) 無効データ数(相違点:右) 無効データ数(相違点:右) 無効データ数(相違点:右) 無効データ数(相違点:右)
基準にする曲 PLEASE PLEASE ME Track 7 12 320 597 770 1049
同期させる曲 The Capitol Albums, Vol. 2 Disc 1 Track 7 9 317 593 766 1043