66/04/28 | ジョージ・マーティン | ジェフ・エメリック フィル・マクドナルド | Recording | 第1〜14テイク、ダブルカルテットを1トラックに2台ずつ録音
第14テイクをテープリダクションして第15テイクを作成 |
66/04/29 | ジョージ・マーティン | ジェフ・エメリック フィル・マクドナルド | Recording | 第15テイクへのSI、ポール・ジョン・ジョージのボーカルを追加 |
66/04/29 | ジョージ・マーティン | ジェフ・エメリック フィル・マクドナルド | Mono Mixing | 第15テイクよりリミックス1〜3 |
66/06/06 | ジョージ・マーティン | ジェフ・エメリック フィル・マクドナルド | Recording | 第15テイクへのSI(ポールのボーカル) |
66/06/22 | ジョージ・マーティン | ジェフ・エメリック ジェリー・ボイズ | Mono Mixing | 第15テイクよりリミックス4〜5 |
66/06/22 | ジョージ・マーティン | ジェフ・エメリック ジェリー・ボイズ | Stereo Mixing | 第15テイクよりリミックス1 |
レノン('80 PBインタビュー):最初の一行はポールので、残りは、基本的にぼくのだ。ポールは、結婚式の最中の教会にいるエリナー・リグビーというメイン・テーマだけを持っていた。彼はこのテーマが手元にあって、手助けが必要なことを知っていながら、ぼくに詞をつけてくれと頼まなかった。そのかわりに、あの時、「オイ、君たち、詞を書き上げちゃってくれよ」とぼくらに声をかけた んだ。EMIのどでかいスタジオの向うで、録音をしたり、アレンジや、何か他の事をしながらね。その時、ぼくは、昔、電話工事をやっていたロードマネージャーのメル・エバンスと、そして後のロードマネージャーだがその頃は会計士見習いだったニール・アスペノールといた。ポールは、この3人に向ってそう声をかけたんだ。ものをそのへんにほうりなげるみたいなやり方を彼にされて、ぼくはばかにされたような気がして、傷ついた。彼は実際はぼくに詞をつけてくれと言おうとしたんだけど、彼は、頼もうとしなかった。ぼくが頭にきたのは、末期の頃のポールのこういった無神経さなんだ。彼はとにかくそういう男だった。彼にとってはそんなことはどうでもいい事なんだ。ぼくはさしせまって一曲作らなければならなかったから、そこにあったテーブルに、彼らといっしょに座りながら曲を書いたんだ。ポールはなんで、あんな風なやり方をしなきゃならないんだろうと思いながらね。それでも、一部はいっしょに書いたんだよ。彼は中間のところが書けなかった、ほら、♪AHH,LOOK AT ALL THE LONELY PEOPLE♪ってとこさ。ポールとジョージとぼくとで色々こねくりまわしている時、ぼくはトイレに行こうと思った。その 時、誰かがそのフレーズをロにした。ぼくはふりむいて、「それだ!」って叫んだんだ。ファーザー・マッケンジーのところははじめはファーザー・マッカートニーってなってたと思う。でもポールは自分の父親が知ったらきっと腹を立てると思ったんだろう。バイオリンと美しいアレンジはぼくの仕事じゃない。ポールはその頃いっしょにいたジェーン・アッシャーの影響で、ヴィヴァルデイが好きになっていたから曲をアレンジする時ストレートにそれを持ち込んだんだ。(バイオリンを弾くまねで歌う)♪ファーザー・マッカートニー、誰も聴こうとしない説教の言葉を書いてるマッカートニー神父さん…♪ |
1999? | “YELLOW SUBMARINE SONGTRACK” A03 (CD:TOCP-65300) | YS用ステレオ・リミックス |
第14テイク | “ANTHOLOGY 2” A21 (2CD:TOCP-8703,04) | strings only |
第14テイク | “THE ALTERNATE REVOLVER” A18 (CD:WALRUS 021) | strings |
mono | “THE ALTERNATE REVOLVER” A02 (CD:WALRUS 021) | |
66/06/22版リミックス・モノ5 | “Yellow Submarine” A02 (CDシングル:TODP-2133) | |
66/06/22版リミックス・モノ5 | “REVOLVER” A02 (モノLP:PMC 7009 / EAS-70136) | |
66/06/22版リミックス・ステレオ1 | “REVOLVER” A02 (CD:CP32-5327) | |
66/06/22版リミックス・ステレオ1 | “REVOLVER” A02 (ステレオLP:MFSL 1-107) | |
66/06/22版リミックス・モノ5 | “A COLLECTION OF BEATLES OLDIES” B07 (モノLP:PMC 7016) | |
66/06/22版リミックス・ステレオ1 | “A COLLECTION OF BEATLES OLDIES” B07 (ステレオLP:EAS-80557) | |
66/06/22版リミックス・ステレオ1 | “The Beatles/1962-1966” D06 (2LP:EAP-9032B) | |
66/06/22版リミックス・ステレオ1 | “The Beatles/1962-1966” B12 (2CD:TOCP-8010,11) | ? |
66/06/22版リミックス・ステレオ1 | “THE BEATLES 1” A16 (CD:TOCP-65600) | ? |
66/06/22版リミックス・モノ5 | “REVOLVER” A02 (CD(リマスター・モノ):5099969945823) | |
66/06/22版リミックス・ステレオ1 | “REVOLVER” A02 (CD(リマスター・ステレオ):0946 3 82417 2 0) | |
90/02/08 | “TRIPPING THE LIVE FANTASTIC” B02 (2CD(STEREO):TOCP-6481,82) | Worcester |
【SONGTRACK】 1トラックにまとめられていたストリングスをリダクション前の第14テイクと差し替えることで4トラック だったレコーディング・テープが7トラック相当になっている。CD『ビートルズ・アンソロジー 2』のカラオケ・バージョンはバイオリンを左、 ビオラを中央、チェロを右として、テープスピードを0.5%遅くして作成しているが、 CD『イエロー・サブマリン・ソングトラック』はAメロでのビオラを右に移動させてボーカル中心のミキシングになっている。 図2は『リボルバー』(上)と『ソングトラック』(下)でボーカルを同期させた時の波形である。0分29秒のストリングスだけになる箇所(中央縦線部分)は30ミリ秒弱のズレがある。『アンソロジー』でも使われた第14テイクのストリングスを、第15テイクのボーカルと同期させる作業でズレが生じてしまったのである。この数値は、彼らが得意としたADT(音を遅延させる装置)で例えるなら、ちょうどダブルトラック効果が得られる程の差である。つまり、同時に聴けばストリングスが2重に聴こえる程のズレになっているのである。本作のほぼ全ての曲で、大なり小なりこの現象が見られる。 |
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Yellow Submarine Songtrackバージョンが嫌いな理由
YSバージョンを左、ステレオバージョンを右に配置して、ストリングスを同期させるとボーカルがズレまくり。 リリース・バージョン(第15テイクより) マスターテープ構成
比較結果 Track3のポールのボーカルはリード・ボーカルのダブル・トラック用のパートが入っているらしく、ステレ オ・バージョンでは0'14”にミキシング・ミスと想われる一部が入っている。同じトラックに入っているのは、 3度上をファルセットで歌うジョン、またTrack4にはリード・ボーカルの3度下を歌うポールとTrack3のパー トを1オクターブ下げたジョンが入っていると思われる。なお、“All the lonely 〜”の箇所はダブル・トラックのように聞こえるが、Track3とTrack4はOFFのままで、右チャンネルから聞こえるTrack2を800/44100 秒だけADTで遅らせたものを左45度にミックスしている。ミックスする量はいずれも同じ程度であるが、モ ノ・バージョンのAメロ2はやや大きめになっている。
リリース・バージョン(第15テイクより)
マスターテープ構成
比較結果 1トラックにまとめられていたストリングスをリダクション前の第14テイクと差し替えることで4トラック だったマスターテープが7トラック相当になっている。ANTHOLOGYバージョンはバイオリンを左、ビオラを中央、 チェロを右として、テープスピードを0.5%遅くして作成しているが、YS SONGTRACKバージョンはAメロでのビオラを右に移動させてボーカル中心のミキシングになっている。ところが、残念ながらYS SONGTRACKバージョンは完全な失敗作である。今後、安易なリミックスを増やさないためにも敢えて警鐘を鳴らすことにする。アビー ロードのエンジニアは気付いていると思うが、第15テイクのTrack1をリダクション前の第14テイクと差し 替える作業において、かなりのズレが生じている。全体的に0.05秒程度(‘Yellow Submarine'とは桁が違う)、ボーカルに対してストリングスが先走っている。いわゆる“前ノリ”の状態になっており、リズムにうるさい人 であれば感じることができる程度のズレである。正確に重ねるという作業は、私のパソコン程度でも可能である にもかかわらず、世界的に有名なこのスタジオで不可能な作業とは考えにくい。作業がやや雑になっていたのか、 初の試みでそこまで配慮が行き届かなかったのか、どちらかであろう。
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