Paperback Writer


【レコーディング・セッション履歴】 【収録レコードリスト】
【レコーディング・セッション分析】
【リマスター・モノ】 【リマスター・ステレオ】
【Undocumented Recording Session(1999年原稿)】

【レコーディング・セッション履歴】
66/04/13ジョージ・マーティンジェフ・エメリック
リチャード・ラッシュ
Recording 第1〜2テイク、第1テイクは未完成、第2テイクがベスト
ジェフによるとポールはリッケンバッカーベースを弾いていた
Geoff:ベースの録音は低音感度の良い大型スピーカーをマイク代わりに使った
66/04/14ジョージ・マーティンジェフ・エメリック
フィル・マクドナルド
Recording 第2テイクへのSI、ボーカルの追加
原書P.74のメモによると、Trk2はジョージとジョンがボーカル(ジョージはギターフィルも演奏)、ポールはベース

クロニクルによるとポールのボーカルとジョンとジョージのコーラス、他多数のオーバーダブ
66/04/14ジョージ・マーティンジェフ・エメリック
フィル・マクドナルド
Mono Mixing 第2テイクよりリミックス1と2
66/10/31ジョージ・マーティンジェフ・エメリック
フィル・マクドナルド
Stereo Mixing 第2テイクよりリミックス1〜3
"A COLLECTION OF BEATLES OLDIES"用
レノン('80 PBインタビュー):これは、いわば「デイ・トリッパー」のポール版。つまりいいギター・ソロの入ったロックンロール・ソングってこと。

【収録レコードリスト】
66/10/31版リミックス・ステレオ3? “ULTRA RARE TRAX Vol.1” A12 (CD:TSP-CD-001) カウント付
第1〜2テイク “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.3 Disc3” A17 (CD:YDB-303)
“THE RECORDING SESSIONS VOL.3” A09 (CD:02-CD-3307) フルエンディング
第1テイク “DOCUMENTS VOL.3” A02 (CD:DR 029 CD)
第2テイク “DOCUMENTS VOL.3” A03 (CD:DR 029 CD)
第1〜2テイク “UNSURPASSED MASTERS VOL.3(1966-1967)” A01 (CD:YD-003)
66/04/13 “HODGE-PODGE” A14 (CD:BD 001) Remix
66/04/14版リミックス・モノ2 “Paperback Writer” A01 (CDシングル:TODP-2132)
66/04/14版リミックス・モノ2 “A COLLECTION OF BEATLES OLDIES” B06 (モノLP:PMC 7016)
66/04/14版リミックス・モノ2 “MONO MASTERS” B03 (2CD(リマスター・モノ):5099969946325-424)
66/06/25 “MYTHOLOGY, VOL 2” D11 (4CD:STR-011〜014) エッセン
66/06/30 “THE LIVE BEATLES” A10 (CD:DR 002 CD) 東京
66/07/01 “THE LIVE BEATLES” A21 (CD:DR 002 CD) 東京
66/07/01 “THE ULTIMATE COLLECTION VOL.2 Disc1” A27 (CD:YDB-201) 東京
66/10/31版リミックス・ステレオ3 “Paperback Writer” A01 (シングル:EAR-20232)
66/10/31版リミックス・ステレオ3 “A COLLECTION OF BEATLES OLDIES” B06 (ステレオLP:EAS-80557)
66/10/31版リミックス・ステレオ3 “The Beatles/1962-1966” D05 (2LP:EAP-9032B)
66/10/31版リミックス・ステレオ3 “The Complete John Barrett's Cassette Dub” F15 (7CD:---) for Abbey Road Video Show
66/10/31版リミックス・ステレオ3 “PAST MASTERS VOL.2” A03 (CD:CP32-5602)
66/10/31版リミックス・ステレオ3 “The Beatles/1962-1966” B11 (2CD:TOCP-8010,11)
66/10/31版リミックス・ステレオ3 “THE BEATLES 1” A14 (CD:TOCP-65600)
66/10/31版リミックス・ステレオ3 “PAST MASTERS” B03 (2CD(リマスター・ステレオ):50999 2 43807 2 0)

【レコーディング・セッション分析】
このセッションのポイントは、ジョージがバーンズのNU SONICベースを弾いている写真がある、という点である。 この写真を見たことはないが、「Beatles Gear」 P.182には更に興味深い情報が記されている。 同時に、ジョンはグレッチ 6120(ナッシュビル)、ポールはカジノを弾いている、というのである。 従って、ベーシック・トラックの録音時は、ジョンがグレッチで【REG】、ポールがカジノをフィードバック(またはエフェクター)で歪ませてリードギタージョージがガイドベース(録音はしないベース)を弾いていた可能性が高い。 そして、最終的にはジョージベースをタンバリンに持ち替えたのだろう。
 奇しくもUS版ステレオLP『ヘイ・ジュード』ポールの意識の変化を表しているのかも知れない。 ビートルズのステレオ・バージョンは、リズムが左、メロディーが右、という不文律があった。 US版ステレオLP『ヘイ・ジュード』はこれに則って、ベースが左、リードギターが右、となっている。 ところが、正式には逆であり、ベースをより聴かせたい、という意思の表れとも解釈できる。

【リマスター・モノ】
特に相違なし。

【リマスター・ステレオ】
特に相違なし。

【Undocumented Recording Session(1999年原稿)】
アメリカ盤LP“HEY JUDE”では左右が逆になっていますが、別バージョンではありません。

モノ・バージョンとステレオ・バージョンは、一聴しただけではめぼしい違いがなかったのですが (ボーカルのエコー処理くらいなら誰でもわかりますし) 改めて精度を上げて調べてみたら他にも違いが出てきました。本に入れておけば良かったな。
列挙してみますと、
  • 0'00"〜0'06":最初の4小節のコーラスは、ステレオ・バージョンの右チャンネルで聞える音が、 モノ・バージョンでは大き目にミックスされている。
  • 0'46"〜0'50":“writer”のコーラスでエコーのかかり具合が違っている。 更に、モノ・バージョンではリードボーカルの“writer”にディレイがかかっている。 また、このコーラスの間、ドラムスはハイハットを刻んでいるのがブート音源より明らかに なっているが、モノ・バージョンでは最初の1小節と3拍分と、ギターリフが始まる直前の 4拍目の音が聞えている。
  • 1'17":ここで不思議な現象が起こる。“writer”のバックで聞えるギターリフは、 突然音量が下がってしまうが(ステレオ・バージョン)、モノ・バージョンでは ハッキリと聞える。これは、ジェフ・エマリックが1'35"のコーラスに入る個所と勘違いして ギターの音量を下げてしまったためではないだろうか。 このレコーディング・ミスの改善策として、モノ・バージョンではギターリフの2拍分を どこかから取ってきて重ねている。
  • 1'35"〜1'38":前回と同様、“writer”のコーラスでエコーのかかり具合が違っている。 ステレオ・バージョンではやはり単なるエコーのようだが、 モノ・バージョンではリピート・エコー(ADTか?)のようで、 前回は1回だけディレイしていたのがこだまのように繰り返し聞こえている。 また、モノ・バージョンでは最初の2小節目の4拍全てと、ギターリフが始まる直前の 3・4拍目でハイハットを刻んでいるのが聞えている。
  • 1'50":ハイトーン・ベースが印象的であるが、モノ・バージョンでは 2拍3連の3番目〜4拍目までのボリュームを上げている。
となっています。

リリース・バージョン(第2テイクより)

マスターテープ構成

第2テイク ステレオ・リミックス3
CD用リミックス

TAKE 2 アウトテイク
Track1 ハイハット

リードギター(Distortion)のコード音
ドラムス
リズムギター(Clean)
リードギター(Distortion)
タンバリン
Track2 ジョンとジョージのコーラス
("paperback 〜")
ベース
ジョンとジョージのコーラス
2ndリードギター
Track3 ポールのボーカル
ジョンとジョージのコーラス
Track4 ポールの2ndボーカル
ジョンとジョージの2ndコーラス

比較結果

 “OLDIES”版では、エンディングのコーラスで誰かがフライングしている。

 ステレオ・レコード“HEY JUDE”に収録された‘Paperback Writer'と‘Rain'は左右の音像が逆になっている。
MONO(TODP-2132) STEREO(CP32-5602)*
コーラスやギターが大きい
2回目のコーラスに大量のエコー

長い

ベースとボーカルが大きめ