Vol.2 


 時は、98年1月「BSスーパーマリオコレクション」へさかのぼる────
「パネルでポン!」発売記念として開催された『パネポンイベント2』以来、
多くのイベントに密かに参戦している者が居た。その名はパネポンますた〜。私だ(爆)
自分でいうのも何だが、私は全国のサテラーの中でも屈指の遊び人である。(^^;;

 私は前々から、98年1月をもって「パネポンますた〜」の名を引退しようと決めていた。
何故ならパネポンイベント2以来、日々パネポンの腕が落ちていっていたからであった。
また、パネポンイベント2が最後のパネポンイベントだと信じ込んでいたので、
『もうパネポンますた〜を名乗る必要もないな』と確信していた。

 だが、そんな確信は崩れ去り「パネポンイベント’98」が開催された。

 ここで困ったのは『あまりパネポンが上手でもないのに、マスターを名乗っていた』という事実である。
「パネポンますた〜を名乗ってる以上、他のサテラーに出し抜かれる事は絶対に許されない。意地でも勝たねば!」
・・・・そう思い、サウンドリンクをサボってでもパネポンイベントの点数獲得に専念した。

 まずは、パネポンイベント放送開始1日目で70,000点以上を出し、
ゲー虎に挑戦状を叩きつける。(←ボツになったけど(^^;)
 そして数日後、ユーリルさんにFAXで点数を伝達。その頃、ユーリルさんとは今は亡きX-BAND仲間だった。
とりあえずこれで、全国30位以内は確実に取れるだろうという自信を得た。しかし・・・。
私は、前回のイベントに君臨していた『伝説の御三家』が気になっていた。

 その中の一人、今井 四郎さん。パネポンイベント2の優勝者だ。
彼は当時、サテラビューのありとあらゆるイベントゲームで
トップの座を欲しいままにした、伝説のサテラーである。
私は今井 四郎さんを心から尊敬していた。
 彼のパネポンイベント2での点数は99,999点(カンスト)だった。しかも、
彼以外の残る2人も、80,000点を軽く突破していた。その後ろに、
約42,000点の私(全国4位)が居た。
 それ故、彼等は伝説の御三家と呼ばれていたのである。
今回のパネポンイベント’98で全国11位を取る為には、
伝説の御三家に勝つ事、すなわち「99,999点に到達する事」が必須条件であった。

 こうして私は、99,999点を目指す武者修行をすることとなった。

 パネポンイベント’98の内容は、初代パネポンイベントのルールと同じ
全5ステージ構成での総合得点を競うものだった。
 単純計算をして、13連鎖が11回以上できるくらいのパネル数があり、
全部連鎖しきれば余裕で99,999点到達できるのだが、
ステージが進む度にパネルの消えるスピードが速くなり、そんなにも連鎖が出来なかったのである。
 特にステージ5では、13連鎖が出る事は稀であった。
大抵は5・6連鎖の連続、ステージ5の獲得点数は大抵6,000点ぐらいだった。

 ここでの私の点数基準は、以下の通りであった。(↓当時、私は『32個消し』の技を知らなかった。(笑))

ステージ1:最低でも19,000点突破する。それ以下の点数だったらリセット。
ステージ2:最低でも39,000点突破する。それ以下の点数だったらリセット。
ステージ3:最低でも60,000点突破する。それ以下の点数だったらリセット。
ステージ4:最低でも78,000点突破する。それ以下の点数を取ったら、まず99,999点到達不可。
ステージ5:最低でも13連鎖×3+α連鎖を出す。それ以下の連鎖だったら、まず99,999点到達不可。

 ステージ3までは特定の点数以下だったら即リセット、残りのステージは状況任せだった。

 パネポンをやっている者なら重々承知であるかも知れないが、
1ステージ中に普通に13連鎖を2回出しても約18,000点である。
最初のステージで19,000点突破するには、13連鎖2回+α連鎖が必要だった。
無論、未熟者な私は何度もリセットした。(^^;;

 もう何日徹夜したであろうか・・・。
パネポンイベント’98の得点は、いつも92,000点止まりであった。
もうこれ以上点数が伸びないのか・・・そう思うと、非常に悔しかった。
イベントの締切は、既に2週間を切っていた。私は、ますます焦った。

 そんなある日。何気なく連鎖をしてステージ1をクリアした時、
普段は20,000点くらいしか取れてなかったのだが、
この時のクリア点数は26,000点だった。私は我が眼を疑った。
『え?一体何が起こったの!?普通に連鎖してただけなのに・・・』
 ステージ2が不調だったのでリセットを押したが、何かが引っ掛かった感じがした。
しかし、もう1回プレイしても、20,000点を突破できなかった。
『・・・あれって結局、バグだったのかなぁ?』

 だが数日後、ステージ1で突然26,000点を取った原因が判明した。
それによると、どうやら連鎖途中で3個消しを行うと、3個消しをした回数分、
連鎖中の得点が入る事を発見したのだ。具体的には、

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例えば1連鎖につき100点、11連鎖目が1,100点だとすると
(↑こんな点数計算なんか有り得ないけど(笑))、11連鎖目に別のところで3個消しを4回やった時は、

2〜11連鎖+33パネルの得点↓3個消し4回+12パネルの点数↓
(200+300+400+500+600+700+800+900+1,000+1,100+30×11)(1,100×4+30×4)
6,500+ 330  4,400+ 120
6,8304,520
合計11,350点

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 ↑この計算式でいくと、普通に11連鎖だけをした時は6,830点しか獲得できないのに対し、
11連鎖目に3個消しを4回やるだけで『4,520点のおまけが付いて11,350点になる』のである。
もしこれが13連鎖で同じ事を2回、ステージ1で実際にやったとしたら・・・26,000点突破も夢ではない。

 この事実を発見した時、思わず「よっしゃ!!」と叫びたくなるような嬉しさを感じた。
ステージ2が終わる時、普段は42,000点くらいだったのが、この方法で55,000点をマーク。
 『これはイケる!イケるぞ!!』そして何度も試行錯誤を繰り返す後、
ステージ4が終わる時に、遂に88,000点を越えた。

 小心者な私の手先が震える。こんな体験は初めてだからだ。
落ち着くまでステージ4のクリア画面を見つめ、
現実逃避をしながら熱〜いお茶をの〜んびりいただく(笑)
だが、そんな自分でもこの後は驚くほど冷静になり、なんなく13連鎖を繰り出す。
そして、いつの間にか99,999点に到達していたが気付かず、
ひたすら連鎖を繰り出した。そして、見事クリアしたのである。(^^)

 パスワードと点数を紙にメモする。思わず胸が高鳴るのを感じる。
私は何度も何度もパスワードメモと画面を見比べて確認した。
「これが私の獲得した点数なんだな・・・」と思いながら・・・。

 そして投稿。もちろんパスワードは何度も確認した。
ここでパスワード間違いなんぞやれば、シャレにもならないからだ。
この投稿をするまでに私は、既にパネポンイベント’98で7回、
カンスト記録である99,999点を叩き出していた。もはや余裕である。

 そして数ヶ月後・・・

 イベントの結果が発表された。私は1位だった。
しかし、私以外にも全国1位(つまり99,999点)を取った者も居た。
その者は、かつての伝説の御三家の中の1人であった。
私は心底「よかった〜、99,999点で送っておいて・・・」と思った。

 こうして、私のPlayerName引退を賭けた戦いは、幕を閉じたのであった。

 「もし、このイベントが無かったら、
  パネポンますた〜という仮のPNのままで終わってただろうな・・・」

 そして私は、パネポンイベント2で獲得したパネポンテレカを眺めながら、
今もなお『ヨッシーのパネポンBS』にハマり続けている。
いつかまた、誰かと熱い対戦をする事ができるかもしれないから・・・。

 ・・・そういえば、これのどこが『苦難』なんだろう?(笑)
まぁ、別にいいか。(^^;;;

--- 完 ---


「別のシリーズやりたいぜ」という方は、支配人まで。

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