山崎断層系大地震による鳥取県内の震度予測
【鳥取県内 東・中部を中心に震度5弱−4】
 政府の中央防災会議の専門調査会はこのほど、中部・近畿圏で活断層などが原因で起きる可能性がある直下型大地震の震度予測を始めて公表した。規模が最も大きいとされる山崎断層系(兵庫ー岡山)で大地震が発生した場合、鳥取県内では東中部を中心に震度5弱から震度4の揺れに見舞われると予想され、防災関係者は県民に日常的な備えを呼び掛けている。活断層周辺では、繰り返し大きな地震が発生している。しかし、山崎断層系では868年マグニチュード(M)7以上の地震が確認されて以降は、1984年5月のM5.6が最高で、一千年以上も大地震が起きていない。このため、大地震の発生を懸念する専門家が多い。政府の中央防災の専門調査会では、断層系全体が一度に動けば、M8クラスの大地震になると予想している。2006年(平成18年)12月発表
 鳥取県地震防災調査研究委員会(委員長・西田良平鳥取大学教授)は昨年3月、山崎断層系でM7.7の地震が発生した際の県内の震度分布予測をまとめ、県に報告した。それによると、断層に近い智頭、若桜両町の一部で震度5弱、東・中部では一部を除いて震度4、西部では震度3−2で、地盤の弱いところでは震度4が予測される。西田教授は「山崎断層系で地震が起きる可能性があることを県民も認識してほしい」と指摘。その上で「鳥取県では特定しにくい地震について、最大の揺れへの対策も検討している。慌てることはないが、今回の中央防災会議の発表を契機に、一人ひとりがもう一度、自分でできる対策を考えてほしい」と話している。
鳥取県地震防災調査研究報告書から
山崎断層系とは 岡山県美作市から兵庫県三木市にかけて伸びる約80`の左横ずれの活断層。7つの断層からなる。山崎断層系では1970年、活断層と微小地震に関係があることが世界で始めて解明された。断層系に沿って、微小地震が繰り返し起きている。
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