ゴジラ対自衛隊 〜映画の中の自衛隊〜

自衛官は、平和を守るために人殺しの練習をしている

2007年4月2日――上田清司埼玉県知事


 2007年(平成19年)4月2日。さいたま市内で新規採用の県職員の就任式の式辞で上田埼玉県知事(民主党)が語ったとされる言葉。

 当時の時事通信の報道では、
「自衛官の人は大変ですよ。分かりやすく言えば、いつも平和を守るために人殺しの練習をしている。だから、われわれは『偉い』と言って、ほめ称えなくてはいけない。頑張れ、頑張れと」
 また警察官にも言及して、
「県民の生命や財産を守るという崇高な使命の下に、どうかすると人を疑ったり人を痛めつける練習をしなくてはいけない」
 その上で、県職員について、
「そういう類と違って多くの方に喜びを与え、感謝され、自分もその喜びを感じることができる素晴らしい仕事」
 と言ったとされる。

 その後、言葉が悪かったと語ったが「殺傷という言葉を使うべきだった」などと見当はずれなことを言って、再び訂正することになった。この報道の通りの発言をそのまま読めば、いかに県職員が立派な仕事かを力説するために自衛官や警察官を貶める目的で言っているようにしか読み取れない。この発言によって、県庁には700件を超える苦情が寄せられたとされる。

 なお、上田知事は2014年(平成26年)豪雪の際、2月15日に秩父市が孤立し市長が自衛隊派遣を県に求めるがこれを却下。たび重なる出動要請にも関わらず出動を要請したのは17日夕方まで遅れ、強い非難を浴びたことは記憶に新しい。

自衛隊・安全保障をめぐる言葉