ゴジラ対自衛隊 〜映画の中の自衛隊〜

特定秘密に加わる防衛秘密は34000件も破棄された

2013年11月20日――福山哲郎 参議院議員


 国民の知る権利の重大性と国家の機密を守ることの重要性を巡り大きな議論を呼んだ特定秘密保護法(特定秘密の保護に関する法律)が成立を目前に控えていた2013年10月半ば。マスコミが、防衛秘密を巡る重大な問題を報道した。2007年から2011年の5年間に、「防衛秘密」に指定された文書が34000件も破棄されていたというものである。

 2013年11月20日の参院国家安全保障特別委員会で『特定秘密』指定の在り方を巡って質問に立った民主党(現民進党)の福山哲郎参議院議員が、与党案での特定秘密の管理手続きの不備を突こうと、先の報道の内容について質した。

「今回、特定秘密に加わる防衛秘密はなんと2007年から2011年に34000件も破棄された」
「廃棄のガイドラインというか、基準は作らなきゃいけないんじゃないですか?」
「我々は法律の中で新たに対案として提出させていただいた。このことについてはどう思うか」

 語気鋭く問い質す福山議員に対して、答弁に立った小野寺五典 防衛大臣は、事実関係だけを話す、とした上で、

「34000件の廃棄の内、約30000件は民主党政権の時代に行われた」
「私が防衛大臣になって、今回このような(特定秘密保護法案の)審議が行われているので、大臣の通達により止めている」

 と応じた。小野寺大臣の答弁に対して福山議員は、

「ほかの省庁は(通達が)出ていない」
「だからこそ廃棄のガイドラインが必要ではないか」
「そのことに対して対案を出している」

 と、改めて特定秘密の管理手続きの重要性を主張したが、防衛省の防衛秘密破棄の件についてはそれ以上は触れなかった。

 なお26日に民主党の長妻昭議員からの質問主意書に対する答弁書で政府は防衛省が2007年〜2012年までの6年間で、自衛隊法に定められた保護期間が終了する前に「防衛秘密」が約42100件破棄されたほか、約27万件の「省秘」・約700件の「特別防衛秘密」が同様に保護の対象となる要項を欠く前に破棄されたことを明らかにした。(参考:防衛省の秘密解除後の文書公開と破棄に関する質問主意書衆議院議員長妻昭君提出防衛省の秘密解除後の文書公開と破棄に関する質問に対する答弁書)

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