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MM9-MONSTER MAGNITUDE-(2010年) |
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内容にはネタばれを含んでいます。 解説・感想 ストーリー 映画の中の自衛隊 【解説・感想】
山本弘による人気SF小説の映像化作品。2010年(平成22年)7月から9月にかけて毎日放送系列にて放送された。全13話。現代日本に非常に似た世界が舞台。しかし、“怪獣”が普通に存在し、怪獣に対応するためのセクションも存在する。怪獣という存在が実際に現実に存在したらさまざまな矛盾があることは「空想科学読本」などで指摘されているが(そもそも、体長50m級の怪獣や火を吐いたりする生物など、SFや特撮映画などに存在する存在が現実に存在すると思っている人間はまずいないと思うし、誰もがないと思っているものをないと言っているだけなのでそういう指摘があるなどと言うこと自体ナンセンスな気がするが)、MM9の中では多重人間原理という理論でこれを説明している。この理論が原作の最後に大きな意味を持ってくるが、このドラマの中ではそのあたりの説明はばっさりと削除されている。
【ストーリー】 千代田区にある気象庁特異生物対策課――通称「気特対」。怪獣による災害から人々の生活を守るため日夜、対処を行っている。怪獣による破壊力の規模は便宜上MM(モンスター・マグニチュード)という単位であらわされ、これまで発見された最大級のMMでさえ8であり、9以上はまさしく神話や伝説に登場するレベルの怪獣である。MM0以上の存在を「M」それ未満の存在を「S」と呼称する。Sは妖怪、妖精、精霊などといわれるような超自然的な存在であり、林野庁や環境省が管理している。
【映画の中の自衛隊】 原作においては、互いの役割分担が明確にされて、信頼関係がある中で協力している自衛隊と気特対だが、ドラマ版ではオリジナル要素の一つとして自衛隊と気特対の微妙な距離感に言及される場面が出てくる。自衛隊は、いざM災害が発生するとその対処に全責任を負う以上、M災害対処の全ての権限を手に入れたいと考えており、その微妙な距離感を体現するキャラクターとして、防衛省から気象庁へ出向の氷室真琴が登場している。また、第5話で出現した怪獣8号(しっぽん)の行動を予測した藤澤さくらが自衛隊が巣ごと爆破しようとしていることを知り、「こんなことのために伝えたんじゃないのに」と呟き、案野悠里が「それが自衛隊の仕事なのよ」と返す場面などは、殲滅にこだわる自衛隊と被害を最小限に抑えればそれでよいと考える気特対の温度差も垣間見える。
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