| ||
ゴジラ(1984年) |
||
内容にはネタばれを含んでいます。 解説・感想 ストーリー 映画の中の自衛隊 【解説・感想】
ゴジラ生誕30周年目の1984年に、1975年の『メカゴジラの逆襲』以来9年ぶりにスクリーンに復活したゴジラシリーズ第16作。1954年公開の第1作『ゴジラ』を除いたゴジラシリーズをいったんリセットし、1954年以来、ゴジラは出現していない設定となっている。この1984年版『ゴジラ』以降、1995年の『ゴジラVSデストロイア』まで7作は世界観を共有した一連のシリーズとなっている。
【ストーリー】 伊豆諸島の大黒島で巨大な噴火が発生。噴火から3ヶ月後、大黒島近海で操業していた漁船・第五八幡丸が嵐によって航行困難となり、連絡を絶った。付近をヨットで航行していた新聞記者の牧は、遭難していた第五八幡丸を発見し、調査のために乗り込むと、船員の遺体を発見。さらに見たことの無い一メートルほどの生物に襲われた。生存者の奥村に助けられた牧は奥村から、怪物の話を聞かされる。奥村の大学の林田教授は、奥村が見た怪物こそ、30年前に東京に上陸し、甚大な被害を引き起こしたゴジラであると確信する。
【映画の中の自衛隊】トンデモ兵器が次々投入されるのは東宝自衛隊のお約束で、この『ゴジラ』にもハイパワーメーサー車両やスーパーXなどが実戦投入されている。スーパーXのデザインについてはとやかく言うまいにして、それら以上のトンデモ兵器が、スーパーXに搭載されていたカドミウム弾である。カドミウムは二次電池(ニッカド電池)の電極など様々な用途に用いられており、中性子を吸収する性質から、原子力発電の制御棒にも使用されている。1950年代から1960年代にかけて産業の現場で盛んに使用されていたカドミウムだが、その毒性は深刻な被害をもたらし、現在は使用を控え使用する場合でも細心の注意を払って使用されている。有名なのは日本でも土壌や水質の汚染から米を介して人間の体内に入り込み慢性中毒化したイタイイタイ病である(参考:環境省ホームページ)。おそらく今回の攻撃によって、東京の土壌は広く汚染されただろう。いくら、怪獣の力が絶大でも、使ってはいけない兵器だってあるのだ。それは、核のみではない。 |