はじめに

私のような平凡な男が古稀を迎えるにあたり非売品だが著作をものにするなど凡そ想像してこなかったことである。それは平成の大乱という書名であるが元々は日本海新聞への投稿から端を発している。それは数年前から各月一回、日本海新聞の潮流というコラムに鳥取木鶏クラブ代表世話人として寄稿するチャンスが端著であった。バブルの後始末に住専がモタモタした直後から寄稿を開始している。政府、与野党の政治家、大蔵官僚等々の木を見て森を見ざる統治能力、決断力を欠いた姿への憤りが主であった。このままでは日本は間違いなく倒産するとここ十年近く警告をしばしば発した。それは完全に引退したのと略同時期である。天の法廷、指導者のブザマな国、日本、襲いかかる肉食獣等の国際金融、指導者論、また神様等の日本のアイデンティティに目覚めよと希求するものには特段に反響が多かった。愚作を刊行してもうこれで完全沈黙と思ったのだが、依然として政治指導者に身命を投げ打つ覚悟の人物が現れない。再び平成12年4月から思いを新たにして寄稿を始めた。私の余命はあと10年であろう、私たちの年齢の者が勇気を出して物をいい発言しておかなくては日本は全く外国勢力に蹂躙され日本でなくなるとの悲壮な思いもあった。それらが再び一冊の書物の量となるものとなり二冊目を刊行する事とした。これは我ながら驚きである。内容は平成の大乱その二である。

小泉総理の命懸けでやるという所信表明でこれは本物だと直感した。この総理で日本の進路とアイデンティティを明快にしなくては日本再建は今後不可能に近かろう。日本人は戦後の総決算をしなくてはならない。

この憂国放論は普通の日本人の悲痛な叫びである。21世紀を展望すると中国共産主義政権との確固とした独立自尊の関係は不可欠である。中国は共産主義国であるとの強い自覚と原則の基に親睦しなくてはならぬ。この関係は曖昧にしてはならない。外交論理の緻密な設定が不可欠であるが恣意的な外交をする国会議員諸君が国益に反する言動をするし外務官僚が腐っている。これでは魂胆を持つ外国にいいようにされる。産経新聞以外の一部中央マスコミが国民を煽るし誘導する。ここを正さなくてはいけないのに戦後の教育が悪く国家国益の観点がスッポリと抜けている。これが是正は急務であるが国民大多数の世論の支援が必要だ。与野党を問わずこれらの諸点の自覚が乏しいのが最も気にかかる。外国勢はそこを突いている。一部マスコミが中国寄りであり国民を誘導していると思っている。一部テレビの偏向は特に酷い。古来、日本国は中国に対して韓国のような隷属関係にはない。日本人はこの点を確と踏まえなくては日本の未来はない。 

新聞に寄稿したものを私の憂国放論という見出しでホームページに載せたら岡山木鶏クラブの逸材、安東壮文氏のお目にとまり、私の憂国放論が車のワイパーのように前方が良く見えると仰って頂き多くの人に知らせたいと岡山木鶏クラブのホームページに、徳永圀典翁の憂国放論、として掲載して頂いている。私も70歳過ぎたから翁かなと感慨に耽っている。安東氏に心から感謝申し上げたい。

愛してやまない日本国の未来を思う時、現在の日本は隙だらけで政治は勿論、伝来の風俗習慣から文化までズタズタにされており、おかしな国になりつつある。今こそ、日本人は目覚めなくてはと思う心や切である。私には亡国の地鳴りとして聞こえる。

         平成14年4月 満71歳  徳永圀典

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