大陸国家と海洋国家の対立の始まり

平成15年5月、私は日本海新聞に「韓国に油断は禁物」と題し小論を掲載した。将にその通りとなった。

今回の島根県議会の決議に端を発した竹島問題に関する韓国の対応は、一言で言えば、何をか言わんやである。歴史的な正当性が彼らに全くないから、日本と文書で合意しておりながら、国際司法裁判所に提訴しようとせずゴリ押ししているだけである。近代的理性に欠けるのは18世紀の李王朝と何ら変わらない。「冬のソナタ」とか、韓流なるものに、聊か怪しいものを直感していた私は、今回の事件で信用できない隣人、韓流なんてナンセンス、礼儀も恥も知らないのは中国と同じだと痛感した。

日本の反日マスメディア・中国の反日ともあい通ずるものがある。日本が普通の国になろうとしているのを見て、中国も韓国も今の内に日本を叩き潰してしまえという戦略があるのであろう。彼らは裏で連携があるのではないか。それは北朝鮮が核を保有するのを内心喜び、おまけに中国が有史以来の経済大発展を遂げつつあるから、日本はもう不要だとの認識が生じているのであろう。朝鮮戦争で中国の毛沢東に百万の軍隊を送り込まれ釜山まで追い詰められ侵略されながら、中国に対して謝罪を要求できない卑屈さ、アメリカ人に血を流して防いで貰っておりながら、北東アジアの戦略的バランサーたらんとするなど、橋梁的体質を露呈した。渡部昇一先生の論説のタイトルにあるが、将に「ゆすり、たかり、恩知らず」と思いたくなる。中国に対しては歴史的に位負けしている韓国、そして小中華の儒教体質を今なお引きずっているのは、幕末から明治にかけて近代化できず列強に侵食されかけたあの李王朝のアナクロニズムと少しも変わらない。

古代の三韓は互いに争い、新羅などは唐と組んで百済と高句麗を滅亡させている。日本は百済の王族を大切に扱い百済人の難民も大量に受け入れた。この半島の人々の体質は21世紀の現代でも少しも変わらないと見える。手の平を返す手口、この半島的、橋梁的性格をまざまざと見て我々は油断してはならない。

そして、日本国民も犬の遠吠えのように隅でボソボソ発言するのみでなく、声を大きく挙げなければ国際化の時代にはしてやられるばかりとなる。対外的には知的に論理的に、史実に則り強く発言し主張しなくてはならない。国民一人一人もまた政治家も当然であるが、なあなあの日本では最早や通用しないことをしかと認識すべきである。私の記憶する韓国の過去を下記に纏め各位の認識を深めたい。

         記

@歴代韓国大統領の二枚舌と約束を反古にした事実。
1.七年前に金大中氏が小渕首相と日韓・未来志向を宣言。
2.二年前、現在の盧武鉉氏も小泉総理と未来志向を確認した。今年も鹿児島で未来志向の会談をしたばかりである。
3.先月、初訪韓の米国国務長官ライサ氏に30分も日本を悪し様に発言したが、大統領ともあろうものが恥ずかしくないのであろうか。外交音痴、幼稚で礼儀知らず。

4.日韓問題はすべて条約締結により解決している。


A盧武鉉氏の発言吟味。
1.自衛隊のイラク派遣を覇権主義という。自分の国も派遣しているのに日本は覇権主義という、これは自己矛盾であり、日本が普通の国になって欲しくないこと。

2.靖国神社の総理参拝は日本人の信仰問題であり韓国に云われる問題では毛頭ない。


3.歴史教科書問題は無礼千万な内政干渉。日本の初代総理で韓国独立派の伊藤博文を明治42年に暗殺したのは韓国人、それで日本は韓国併合を決断した。併合は暗殺の翌年である。対米敗戦直後、若し日本人がマッカーサーを暗殺したら日本は米国に併合されたであろう事と同じである。韓国は併合されて日本国民となったので植民地に非ず。


4.竹島問題、言わずもがなである。国際司法裁判所に出ようとしないのは韓国に非があるからだ。あれは戦後、李承晩により日本が一方的に侵略されたものだ。

Bまとめ
1.「中国が大成長を遂げつつあり、経済的には最早や、日本は不要という思いが出てきたこと。」中国に媚びた通報をして中・韓の対日協調路線の黙契があるやもしれぬ。両者ともやりそうであり、近々、
胡錦濤と親密ぶりを見せるのではないか。


2.北朝鮮が原子爆弾を持ち、統一すれば日本より強いという心理が芽生えてきたこと。


3.盧武鉉が、宗主国・中国に媚び韓国の親日戦後体制派を崩壊させたいこと。韓国・中国・北朝鮮との連携で日本との関係が終わってもよいし、不要という心底であろう。


4.中国の成長が著しいのを見て、韓国は宗主国・中国還りをして北朝鮮と連携、日米離れを本気で模索しているのであろう。日本が日米同盟を強化して「普通の国」へと進むのを妨害しようとしている事に他ならない。これは、愈々、大陸国家と日米・台湾の海洋国家の対立が先鋭化することとなるのかもしれない。

5.このように思わなくては、理解に苦しむ盧武鉉発言である。このような韓国には厳然と対処しよう、そして日本は先祖が18世紀から懸念し命を懸けてきた地政学的な問題―玄海灘が遂に政治的国境線となる現実―を深く自覚して、断然たる軍備を保有し、自らは使用しないが、断固とした防衛対策を講じおくべきである。人口僅か2千万人、経済力のない北朝鮮があれだけ米国と対等にやりあえるのは核を保有しているからである。
平成17年4月15日 徳永圀典