がっくりと肩を落とした二人は、とぼとぼと家に帰ってきた。

「……意外と早く帰ってきちまったな。我が家よ」
 何ともいえない表情で、ギコは呟いた。入り口の手前でうつむき、ボーッとしているモララーの肩を静か
 に叩き、肩を抱いて、部屋へと運んだ。

 部屋に入って暫くは、深い沈黙が漂った。ギコの家の前は、住宅街だけあって車もあまり通らない。喋ら
 なければとても静かである。
 長い沈黙を破って話し始めたのは、ギコの方だ。
「正直、とても残念だと思うぞ」
「……」
 モララーはずっと下を向いている。

「……あれだけ、……夢膨らませてたのに、な」
「……」
 モララーの悲しげな言葉に、今度はギコが黙ってしまった。

 再び長い静寂が襲うのを拒んだのは、ギコだ。

「仕方ない……とも言い切れないけれど、やっぱりしょうがないさ」
「そう……なんだけどな……。どうも、踏ん切りが付かないんだよ」
「本音言うと、俺も」

 ギコは一旦言葉を切り、口調を明るくして言った。

「なあ、モララー。あの博物館のオタクさん、なんて言ってたか覚えてるか?」
「『ほぼ100%見つかる可能性は無い』的なニュアンスの事を言ってたな」

 ギコは、身を乗り出し、宥めるように言った。
「『ほぼ』だろ?」
「え?」
「『ほぼ』と『完全』は違うぜ?」
「ど、どういう事が言いたいんだ?」

 ギコは、一歩前進して言った。
「『ほぼ100%』は、『100%』じゃない、って事を言いたいわけさ」

 モララーはようやく顔を上げた。キョトンとしている中に、何か明るい光の見える瞳をしている。
「なあ、つまり、実際に行ってみようって、事を言いたいわけか?」
「YES! 正解! という事で、さっそく出発するぞゴルァ!!」




「ちょっと待った!!!」

 そのとき、急に誰かが玄関の戸を勢い良く開けた。二人が部屋の襖(ふすま)を開けて玄関を覗くと、逆
 光で黒いシルエットが映っている。
「その話、俺も乗ったぜ!」

「誰だお前は!?」


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