DATE
1999年劇場公開
監督:金子修介(本編) 樋口真嗣(特撮) 脚本 伊藤和典 音楽:大谷幸
キャスト 中山忍:長峰真弓 比良坂綾奈:前田愛 草薙浅黄:藤谷文子 朝倉美都:山咲千里 倉田真也:手塚とおる 守部龍成:小山優
配給収入7億円 観客動員100万人
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内容にはネタばれを含んでいます。 解説・感想 ストーリー 映画の中の自衛隊
【解説・感想】
平成板ガメラシリーズの最後を飾る完結編。これまでの怪獣映画ではタブーとされてきた、「たとえ人間の味方であったとしても、怪獣が動きまわれば脅威以外の何物ではないのではないか」という問いに真っ向から挑戦している。
前2作ではどちらかといえば軍事色の強い映画だと感じたが、ガメラを憎む少女・綾奈と彼女の憎しみを糧に進化したギャオス(=イリス)、その彼女を見守り救いたいと思う少年・龍成の関係がストーリーの中心になっており、ジュブナイル映画のような印象を受けた。
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【ストーリー】
ガメラとギャオスにより東京が破壊されて(ガメラ〜大怪獣空中決戦〜)から4年。ガメラとレギオンとの死闘を経て、世界は明らかに変わりつつあった。世界中でギャオスに酷似した生物が確認され、かつてガメラとギャオスの戦いにかかわった鳥類学者の長峰真弓は世界中を飛び回っていた。
ガメラとギャオスの戦いで両親を失った比良坂綾奈は、奈良の田舎で暮らしながらガメラへの怒りを胸に抱き続けていた。ある時、綾奈は社を守る守部家の息子・龍成とともに、伝説の柳星張の封印を解いてしまう。実は柳星張はギャオスの変異体であった。綾奈は柳星張をイリスと名づけ、ガメラへの復讐を託すことに決める。
その頃、長峰は内閣調査室の朝倉美都、ゲームクリエイターの倉田慎也と出会う。倉田は長峰に世界の異変に関するキーワードとしてマナの概念を伝える。また、以前のガメラとギャオスの戦いでガメラと心を通わせた少女・浅黄も、世界の異変の原因はレギオンとの戦いでガメラが地球のマナを大量に消費したからだという。そして、新宿にガメラとギャオスが飛来し、壮絶な戦闘の結果、新宿の街は廃墟と化した。その新宿で長峰は懐かしい顔に再開する。かつて、長峰とともにギャオスの第一発見者となった元長崎県警の大迫だった。
奈良ではついにイリスが牙をむいた。綾奈の村はイリスによって壊滅させられた。大迫や浅黄とともに現地に向かった長峰は、そこでギャオスが新たな進化を模索していることに気付く。そのことに気づいた長峰は、その鍵になるであろう綾奈を探しだし、綾奈を半ば拉致して秘密を探ろうとしていた朝倉、倉田とともに京都へと向かう。巨大な怪物へと進化したイリスは陸上自衛隊の先遣隊を壊滅させ、航空自衛隊の戦闘機やガメラの追撃を振り切って京都へ降り立つ。それを追ってガメラも京都へ。シリーズ史上初めて、駅構内という屋内における怪獣同士の激突が幕を開ける。
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【映画の中の自衛隊】
今作に置いてもガメラ・イリスともに派手な空中機動を披露しているが、旧2作同様、F-15Jが撃墜される場面は出てこない。しかし、CGを駆使して描かれたイリスへの緊急発進と空中戦に関してはとても見ごたえのある映像になっている。まあ、最後は、ガメラに助けられた格好になったうえに、そのガメラをパトリオットで撃墜するという恩知らずな真似をしているのだが。
今回はガメラとイリスやガメラとギャオスの怪獣同士の戦いや、オカルトめいた話、田舎町の話が中心で、前作『ガメラ2 レギオン襲来』ほど自衛隊には活躍の場が与えられなかった。怪獣同士の戦いにかなり力点が置かれている以上、むしろまっとうな怪獣映画といえるのかもしれないが。 ページの先頭へ→
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