■ 今日の「井戸掘り」■ 井戸を掘りましょう:
「身を慎み、目を覚ましていなさい。あなたがたの敵である悪魔が、ほえたけるししのように、食い尽くすべきものを捜し求めながら、歩き回っています。」 ペテロの手紙5:8
若い人たちへのペテロの3番めの勧告は「身を慎み、目を覚ましていなさい」ということです。目を覚ましてアラート(どのような事態にも備えられている状態)であるというのは、クリスチャンにとってあるべき基本的な姿です。しかし、その前に「身を慎みなさい」と言われています。英語(NIV)訳では「Be Self-controlled」となっています。「自からを律する」ようにとの意味です。
若い人々にとって一番難しいのが、この自律という姿勢であって、若い人々は、感情のまま、欲望のままに振舞いがちです。ヤコブは、舌をコントロールすることの難しさについて書いています。
ペテロは、若い人々にこのように勧める理由を、悪魔(サタン)の活動と結び付けています。現代人は、サタンといった霊の世界の存在を中々信じようとしません。しかし、聖書には、サタンも天の御使いも頻繁に言及されています。これらは目には見えませんが、現実的な霊的存在なのです。
近世に入って、人間の関心は大きく外の世界に向かって開けてゆきました。ローマ時代の地中海世界は、やがて環大西洋世界に広がり、近代になると、それも環太平洋世界へと拡大し、20世紀のいわゆるグローバルな世界が出現します。そして今では、人間の関心は、地球を越えて、宇宙へと広がり、宇宙ステーションが構築されるまでになりました。
しかし、人類は、それとはうらはらに、上なる世界、また、内なる世界を見失って、サタンや天の御使いはおろか、神の存在さえも疑い、否定するような時代ななりました。また、心理学の発展にも関わらず自己の内側は、神秘に閉ざされたままです。自らを単なる物質的な存在としてしまったために、その霊的なダイメンションの深みに気づいていません。
人間を含めたこの世界は、目に見える世界だけではなく、霊の世界であることを頷き知ることは幸いです。
