■ 今日の「井戸掘り」
「愛する者たちよ。あなたがたにお勧めします。旅人であり寄留者であるあなたがたは、たましいに戦いをいどむ肉の欲を遠ざけなさい。」 ペテロの手紙2:11A
■ 井戸を掘りましょう:
ここでは、読者は「旅人であり寄留者であるあなたがた」と言われています。迫害によって故郷を離れ、散らされて、各地に寄留していたクリスチャンですから、「旅人・寄留者」であることに相違ありませんが、彼らが、生まれ故郷にそのまま留まっていたとしても、なお、彼らは「旅人であり、寄留者」なのです。彼らの国籍・市民権は、以前と異なって今は、神の国にあって、地上の何処にもなくなっているからです。
彼らが、アブラハム同様、「出て来た故郷のことを思っていたのであれば、帰る機会は」、或いは、あったかも知れません。しかし、「彼らは、さらにすぐれた故郷、すなわち天の故郷にあこがれていたのです」(ヘブル11:15、16)。それで地上では、何処にあっても、「旅人であり、寄留者で」した。天に国籍を持つ者ですから、地の物には固執しないのです。
ヨハネは、その手紙に「肉の欲、目の欲、暮らし向きの自慢など」と書きました。「肉の欲を遠ざける」ということは、目の欲、すなわち、目に留まって気に入ったものを何でも手に入れようとする欲望、暮らし向きの自慢なども遠ざけることでしょう。地上のものに捕らわれないで、天的な生き方をすることです。持ち物にではなく、霊的な祝福に目を留めることです。
ペテロは、このような生き方を、戒律として「しなければならない」といって主張しているのではなく、彼らが自主的に、自らそれを選び取って、そこに生きるように「お勧めし」ているのです。ペテロは、既に晩年を迎えていて、年齢的に彼らより上でした。また、これまでの奉仕に鑑みても、勧めることのできる立場にいたのです。ペテロの勧めのことばは、なお続きます。