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今日の格言・箴言3

6月8日より易経下経を始める。易の哲学、即ち、変化の原理[窮すれば変ず、変ずれば即ち通ず]などは易の最たるものである。易の哲学では物事は行き詰まらない。限りなくクリエートして行く事こそ易の根本原理であり人間社会万般に亙り活用可能と思う。政治もすぐれた同人を集合し大きい力-大有--謙虚に大いに-能力を発揮すれば、いかなる困難も突破可能である。この易で我々は精神、頭脳を豊かに明らかに出来る。トインビーも易の六十四卦循環の理を知り活眼を開いた。安岡正篤先生の易経講義から私なりに解説引用する。
経は具体的、実践的で親しみやすくなるこの卦の流れから何を汲み取るかが問題。含蓄と洞察を要す。平成14年6月7日  徳永圀典

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(かん) 感と同義-心のふれあい

陰陽、男女が感応、結合する事から凡てが始まる。

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(こう) 永遠性

咸が恋愛、結婚と永遠性即ち(つね)、次第に雷風が波乱起こすも初心と道を忘れねば影響なし。

610

(とん) 解脱-のがれる

遯は深い意味あり雅号に多い。夫婦も結だけでなく解脱が必要。

611

大壮(たいそう) 遯の消極は駄目、活動力盛んなれ。

大壮なるも非礼なし。人格、生命、活動は礼による、即ち正しい生活で壮なれ。

612

(しん) 大壮により進歩あり(すす)む。

遯から大壮となり晉に到るとは自ら持つ明徳を発揮する。これが晉なり。

613

明夷(めいい) 地の下にいる

大壮で積極果敢は失敗の懸念、それには裏打ちの陰--反省--が必要

614

家人(かじん) 敬服

熱意と勉強に人が敬服の卦。明夷で正しい生活の結果。

615

けい(けい) 睨み合う、そむく

家人の次にけい--組織の常、本質的同和の要あり。

616

(けん) 悩み、睨み合い

どおするか、君子身に反って徳を修む。

617

 

(かい) 赦過宥(しゃかゆう)(ざい)

-睨み合いでは解決不能、過失は無罪放免、罪は寛大に軽減し人心が伸び伸びするよう一新が必要。

618

(そん) 人にばかり求めない
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(えき) 怒りを懲らし欲を塞   ぐ

自己抑制

克己的精神、生活を経て初めて得る自由。

619

(くわい) 徳に居て即ち和。

こせこせしない無心がいい。

620

こう(こう) 陰気上昇

陰の卦、余程の注意を要する。組織、行動が乱れの恐れ。

621

(すい) あつめる

乱れたら人物を集め、結束と組織が大切。

622

(しょう) のぼるの意。進歩向上。

組織活動には徳の発揮を。

623

(こん) 到命遂志

(のぼ)ったから苦しむのだ。どのような仕事でも一命を投げ打ち初志貫徹する事だ。

624

(せい) 行き詰まった時の対処の卦。

その時は事業、生活、人物そのものを掘り下げるしかない。井戸を掘ると泥、泥水、更に掘ると清水、水脈となりコンコンと尽きない水脈にあたる。

625

(かく) 破壊、掃除、捨てる-過去の破壊ではなくその前段階。

行き詰まった場合の解決法。代表人物が思い切って因習的生活、思想、行動を改め新体制を。

626

(てい) 新建設の後段階

三者鼎立で成就。革命は革と鼎の組み合わせで成功。

627

(しん) 雷が二つの卦。

震は天には雷、地に地震。改革、革命には困難は必然。恐れと慎みによる徳と反省の要を示す。

628

(ごん) 山二つの卦

騒動あればうろたえないで泰然と。

629

(ぜん) 戒めの卦。

飛ぶ時は秩序を保つ雁の群れ、進歩向上は順を追って成長。

630

()(まい) 女が嫁ぐの意。

末永く続けるを願いを、虫のいい一時的な考えを排除。

71

(ほう) 最高点の状況

月も満ちれば欠ける。豊満に処する道を。

72

(りょ) 危険

見聞を広め、知識吸収の楽しみあり。軽率を戒め慎重と真摯を。

73

(そん) 風が二つの戒。

そよそよと風が吹き草木がなびくように人を立て礼を尽くせ。

74

() 君子以朋友講習

渙 一斉に物が解消

みな助け合う、磨きあう励ましあうのいい卦。

兌の助け合いにより一斉に解決。

75

(せつ) 節操

自由自在の進歩向上には確りした締めくくりが要る。いわゆる節である。

76

中孚(ちゅうふ) まこと、信、誠心、虚心。

まことは絶えざる創造の力の源泉。卵の孵化は限りなきクリエート。

77

少過(しょうか) 分に安んじ足るを知る。

隠徳は控えめ、派手な行動は宜しくない。戒め。

78

既済(きさい) 成就、完成。

やがて無限の未来、無限の創造--有終の道。

最終の卦

未済(みさい) 既済の反対。無終。

無終であるから、無限に循環する。無限の創造へ。

これにて易を終る。上経と下経の64卦により理論的実践的に、無限に進歩向上する為の原理原則を把握できる。自分の頭で、現実の問題を今の状況は何の卦と判断して対処できる。易を知るものは卜せず。易は永遠の真理、実践哲学である。