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今日の格言・箴言2-徳永圀典

5月よりは易経をひも解いて見る。私は易経に大変関心を抱き少しばかり学んできた。トインビーが西洋的思考で行き詰まりこの易の哲学、即ち、変化の原理で開眼したと故安岡正篤先生は言われた。[窮すれば変ず、変ずれば即ち通ず]などは易の最たる哲学である。易の哲学では物事は行き詰まるものはない限りなくクリエートして行く事こそ易の根本原理ではないかと自分は思う。安岡正篤先生の易経講義から引用する。
 この卦の流れから何を汲み取るかが問題。含蓄と洞察を要す。 平成14年5月1日  徳永圀典

51

五十易を学べばもって大過なかるべし。

五十才くらいから本当の勉強が出来る 論語

52

自然は創造無限

宿命はクリエーションにならぬ立命が肝要

53

欲望は盛んなれ。

欲望なくば活動なし、欲望には内省必須

54

真の健康人

欲望、才能、気力、気迫もあり反省もよくし自己を粛清しテキパキと処理するのが健康人。

55

(ちゅう)する。

現実の矛盾を統一してクリエートしていく働き。総合的、統一的、進歩的作用である。(ちゅう)はジンテーゼ、矛盾を統一し、相対的なものを限りなく創造し展開していく

56

行年(こうねん)五十にして四十九の非を知り--

今までの生活が全部駄目と知り自己改革し六十にして六十化す。改革をし六十になっただけの変化をする。()南子(なんじ)

57

陰陽相対の理法@

知能、感情は陽。統一的含蓄的、反省的は陰。この双方がうまく調和すれば解決しないものはない。

58

陰陽相対の理法A

陰陽は対立すると同時に相待つ、陰は陽を待って始めて(ちゅう)していく、即ち進歩向上する。

59

(けん)     元亨(げんきょう)()(てい)             

天行健なり、君子自彊(じきょう)してやまず。

510

(こん)   君子、厚徳載物(こうとくたいぶつ)            

徳を厚くし、物を載す。万物生成と包容。

511

(ちゅん)   万物生成の始まり

小貞はよろし、大貞は凶。過大は失敗する。

512

(もう)     果行育(かこういく)(とく)

童の小貞は不可、キビキビした躾肝要

513

(じゅ)     成長と教育

大童の成長は欲求--精神的飲食の必要

514

(しょう)     作事(さくじ)(ぼう)()

童の成長は欲求-聞いて正しく教えること必要。始が肝要。

515

() もろもろの複雑と争

童の成長と群居は争の源、力が必要。

516

()   いやな者を排斥 

自分の感情、欲望、好みを主眼とする為悪くなりやすい。

517

小畜(しょうちく)  知恵なくば機械化、唯物化する

童が一定の年齢に達すると内面生活、徳の蓄えの指導を

518

()   先輩友人の意見に従い進む

社会人は童より修めた徳を履む必要。

519

(たい)   外が陰で内が陽

内面に活発な健康力あるも外は控えめ、才能に富み、満々たる迫力あるも外に表さないおだやかに保つのが

520

()   泰の逆

外は陽気で活発だが内には大したエネルギーがないから直ぐ行き詰まる。見かけ倒し。

521

同人(どうじん) 手を携えると発展

色々と似た者が集まる--志、同業、同窓は力

522

大有(たいゆう) 人が共同すれば  力

個人の持たないエネルギーと力と内容となる。

523

(けん)  円満な卦、美しい卦

大有から謙遜へ変化すれば、発展を抑制し永続化する。人間も立派な人はゆかしい、能力、才能、金力とも。

524

()  余裕

同人から大有、謙の徳を養うと豫。先が見える余裕。

525

(ずい)  ゆとりは魅力

時が来れば退いて自分を修める要。とんだ間違い発生の恐れ。

526

() 余裕は間違による腐敗の怖れ警告。

腐敗には障害の排除を。から予、隋そして蠱と機微がある。この理解が易。

527

(りん) 華やかな存在

余裕には悪い虫、その害を排除すれば新天地の卦

528

觀 俯瞰(ふかん)(ぎょう)(かん)

人格者が座につくと参列の人が粛然とすのが仰観、戒めの卦

529

噬こう(ぜいこう) 飲み込まない、咀嚼を。     

好事魔多しの卦、十分考える必要。人間、自然、社会の変化に応じて展開してきている。

530

()  賁臨(ひりん)は臨席より上

難問を処理して()に到る。

531

(はく)  ()は一度で破れ、剥落する。

油断すると剥落しご破算

 

61

(ふく)  剥が一転すれば一陽来復

易は極まる事がない。冬来たらば春遠からず。

62

无妄(むもう) 天の下落雷

妄は偽り、これが無いとは、出直しには真実をのこと。

63

大蓄(だいちく) 大きい内容と積極性

復元には蓄積と内容の充実を。

64

()   あご-養うの意。

禍の基の「口」と健康の基の「飲食」を節し徳と身体を養う。

65

大過(たいか) 陽-の過ぎる状況。

陽が過ぎ-責任過大-更に大なる努力要す。

66

(かん) 水は窪みに入る。

苦労は人を磨き勇気や力を生み敬を受ける。

67

() 何かにつき従うか

慎重、厳正で吉慶を得る

上経終る。乾坤からまで自然の流れで推敲思索がある。易は円転滑脱、無限、無窮にして数千年の薀蓄がある。変化極まりない人間学と自然観察による人間の考察、解明がある。これにより限りない自由が得られる。 明日からの下経となると具体的で実践的なものとなる。次ページへ