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スポーツドクター・コラム

セルフコントロール

 九回表まで勝っている。あと一回を守り切れば勝てるというときに突然ピッチャーが乱れ、ストライクが入らなくなって逆転されることがある。
 野手のエラーからピッチャーが投球リズムを崩したり、一つのエラーが次々に他の選手のエラーを引き起こすこともある。
 これらは、普段できることを肝心な時に失敗してしまう、いわゆるあがり現象だ。野球に限らず他のスポーツにも当てはまるし、日常生活にも見られる。例えば、結婚式のスピーチでせりふを忘れたり、試験で緊張してしまい、うまく行かないこともある。
 うまくいっていたボールコントロールが急に乱れたりするのはメンタルコントロールの乱れに理由がある。余計なマイナス思考を心に背負い込んで集中できなくなり、なすべきことを見失って自信をなくしてしまうために起きる。
 ひたすらキャッチャーミットをめがけて投げればいいのだが、コントロールできない自分以外の事柄に気持ちを取られて集中できなくなり、事態は悪い方向へ進んでいく。
 試合で起きてしまったことは変えることはできない。これから起きることも自分では決められない。自分で唯一決めることが出来るのは、自分の心の状態を知ろうとすることと、どんなときでも集中力を高め、自信を持とうと努力することだ。これをセルフコントロールという。
 投手の役目は、ボールをミットめがけて自信を持って投げること、バッターは来た球を芯(しん)でとらえてうち返すこと、野手は自分のところにボールが来いという気持ちで一球ごとに心の準備をすること。単純に考えることがメンタルトレーニングの基本の一つである。






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