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スポーツドクター・コラム

熱中症の予防と対応

 暑い夏。水泳やヨットなど夏向きのスポーツもあるが、一般的には夏はスポーツに不向きな季節である。特に日本の夏は高温多湿で、熱中症が発生しやすい。そこで、熱中症を起こさないためのアドバイスを一言。
 熱中症を予防するための水分補給は、練習前から水分補給を行い、練習中も休息と水分補給を頻繁に行うこと。水分のミネラルの成分はは0.2%(500ccの水に食塩1グラム)の冷たい電解質入りの水がいいが、これでは塩辛くて飲みにくいので、5%程度の糖分があれば飲みやすくなる。これは、スポーツドリンクを水で倍に薄めた濃度である。これを冷やして飲むのがベスト。
 運動は涼しい時間帯を選び、厳しい練習は避けること。暑さには徐々に慣らし、体調の悪い時は無理に運動はしない。新入部員、肥満者、暑さに慣れていない者は運動を軽くする。吸湿、通気性の良い服装にして、直射日光は帽子で防ぐ。具合が悪い時は早めに運動を中止し、風通しの良い日陰で休む。
 高熱で意識障害や痙攣を見た場合(熱射病の時)は、体に水をかけるなどの体温を下げるう救急処置をしながら、そばにいる人たちと連携して救急車を呼び、一刻も早く病院へ搬送することが必要だ。
 熱中症で高校一年生の娘を亡くした愛媛県の阿部ヒロ子さんは「無知と無理で起こるスポーツでの熱中症の危険性を理解して欲しい」という願いから「シャボン玉は消えない〜部活動で死んだ娘への報告」(あすなろ社)を出版した。
 阿部さんは、子どもたちの安全を願って、事故の原因究明と責任追及に明け暮れた。子どもを亡くした親の気持ちを行政、学校、社会体育の指導者は自分の問題として正面から受け止めて、安全にスポーツの出来る環境を整えていくことが必要だ。






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