日本、あれやこれやD   その@ そのA そのB そのC

平成16年9月

1日 末っ子だった
初代の神武天皇
四人兄弟の末っ子。平均寿命の短い当時に末子相続は深い知恵、短い一生に対応する合理性。 家長が変わる度の変動と混乱防止に役立つ。
2日 天照大神の子孫は? 天照の長男は、アメノオシホミミ、その子孫が現在の天皇家である。

天照の次男は、アメノホヒで、その子孫は現在の出雲大社の宮司家―出雲国造(いづもこくそう)、千家である。

3日 なぜ天皇と出雲大社は2千年続いたか。

天皇は代替りの時の大嘗祭と出雲大社の代替わり時の行事が似ている。連綿と行う事により先祖の精神が弛まず維持・継続される。

伊勢神宮は神様に捧げる供物を毎日、木を摺り合わせて火をおこして神様に捧げる。天皇、出雲大社とも、代替わりの時には、同様なことをされている。それは先祖の魂に触れて原点回帰への霊的行事である。先祖の魂・精神の復活であり先祖との同化行事である。両家とも最重要な儀式である
4日 伊勢神宮は自給自足 供物は自給自足、塩、魚まで古式通りに自前で生産・収穫している。 自給自足の仕事は神官で、古式を、今なお千数百年前と同様な形態でされている。
5日 江戸庶民の知恵は世界最高玉川上水
―江戸百万人の喉を潤した。
全長43キロ、武蔵国の無名農民、玉川庄右衛門、清右衛門の兄弟の立案。通水は松の木をくり貫いたパイプ、苦汁と砂利と粘土で固めた三和土で固めた水道である。

高等数学やサイホンの原理を駆使して、青梅市の西、羽村の堰から江戸市中の水道である。

6日 関東一円の用水路
―箱根用水
芦ノ湖の水を駿河国駿東郡まで引くため、湖尻峠に大トンネルを掘った。

野火止用水、北沢用水、烏山用水など何れも、その土地の農民が世界的な水準の数学知識を持っていた証拠。

7日

世界に誇るべき
江戸時代の水道

現在各家庭につながっている水道同様である。ただ鉄管等でなく、ヒノキ・マツなど高価な木材を、四角形、丸型、三角等を地質の強弱や地形を勘案して使い分けていた。

これらの本管が江戸市中の地下に縦横に張り巡らされていたのである。
8日

文盲率ゼロの江戸時代
大阪の町人文化

数学・天文学・医学、国学・漢学も盛んであった。多くは薬屋・両替屋・金物屋・酒屋・医者など正業を持っていた。だから誰に遠慮なく純粋にやるから高度な学問となった。

実学である。だから、欧米のような「学問の為の学問」つまり虚学に対する敬意は育たなかった。
9日 文盲率ゼロの江戸時代
江戸は大阪と異なる

上方の関西が富裕な商人の経済力が生んだ豪華絢爛とした文化に対して、江戸は、化政文化―文化・文政年間の文化―は一般庶民の文化であった。

浮世風呂・川柳・俳句などである。
10日 鎖国の意義 現在、もし独裁国なら、鎖国したほうがいい。日本が自己喪失してしまうからである。 銀の大量海外流出に危機感を抱いた徳川家光は1624年以降鎖国令を出す。以後1853年迄230年続く。
11日 なぜ鎖国したのか。

銀の大量流出である。欧米人が銀を求めてきた。そして輸入されるものは,トラの皮、麝香、鼈甲、珊瑚、ギャマンなどの奢侈品。

大阪は商業の中心であり銀本位制であった。日本の流通経済の中心である大阪が銀の大量海外流出で破綻の危機にあった。

12日 蓮如上人―精力絶倫

27人の子供を持つ
ー男
13人、女14

84歳まで産ませ続けた。累計5人の正妻からである。
13日

伊能忠敬の日本地図

緯度の最も大きい誤差が1000の一であった。

1745年から1818年に生存した日本人のこの精密さ。

14日

城の石垣の秘密

地震でも崩れない城の石垣、放物線の知恵である。曲尺―かねざしーと算木だけで割り出している。

然し、伊賀上野城は上部10米は直線である。江戸時代には既に高い測量計算技術があった。

15日

世界的水準の江戸時代の数学

二宮尊徳の農地改革は、数学者、関孝和の立体幾何をフルに活用していた。

日本の水田は斜面が多く、土壌体積計算が必要、水田は絶対水平面だから、立体幾何が必要であった。

16日

欧米も真似のできない日本刀の技術

ゾリンゲンナイフに日本刀の技術が応用された。

日本刀と同じものを作れなかった欧米人。正宗の名刀にモリブデンが使用されているのをドイツ人が知り、最も日本刀に近い応用をした。

17日

結納は女系社会の名残り

女性尊重思想の原点は「結−ゆい」。結社の意、人間関係を結ぶ、その結社に入れて貰う。だから男は結納を入れる。男が女の属する結社に入れて貰う儀式。

縁結びに納めるものではない。日本の家は女が中心で、女が結−ゆいーの中心だったからこそ男が結納を納めなくてはならなかった。

18日

日本の職人

家元と言われるのを嫌う方がいた。職人と言われるのを好むと、京都の方であつた。

韓国は手作業とか現場を見下ろすと聞いた。中国とか韓国は、いかに手抜きするかの国民性だとも聞いたことがある。ここらに日本の世界一の製造技術の秘密が潜む。

19日

徒弟制度は優れた教育法

染色技術、織物技術,絵画もそうである。友禅染めなどは、文字を通してのマスターは無理。

この生の経験からしか得られない技術を持っていた職人の作品が今は芸術品とされている。

20日

「躾」は日本製文字

家庭での教育は「躾」。中国人のあの過激なもののいいようと比較して見よ。民族性が違う。こんな文字は中国にはない。文字通り「美しい身」即ち「美しい言動」を指している。

人間は生まれたままでは野生。快く社会に迎えられるように、野生の子供に、家庭で、ものの考え方、言行動作を教え調教して行く、これが「躾」である。大和言葉は優しいいいようである。

21日

江戸時代の「躾」の基本

小笠原流である。お辞儀は「拝」というのが最敬礼。「揖−ゆうー」は、半分身体を曲げる略式。夫々TPOが決まっている。

「躾」とは家庭教育の根幹であり、小笠原流が基本となった「礼法」である。

22日

日本には階級社会は無い

欧州などでは、侵略により奴隷をつくる。つまり異民族を支配する。民族の違いが階級差を作ってきている。人権差別は白人社会の専売特許であった。

日本は同じ民族だから、特定集団同士が支配し合うことはなかった。欧州的意味の決定的階級差はなかった。第二次世界大戦勃発は米国の日本人差別が根本要因である。

23日

日本人の「先祖供養」

日本人には一切の宗教を越えた存在が「先祖供養」である。それで精神のバランスを取って柔軟な精神構造を持つ。

キリスト・イスラム教等は「天にまします神」を絶対的に信じるけど、祖先は拝まない。宗教家を呼んで供養もしない。
24日

祝い事―お裾分け

赤飯、引越しそば、御萩、ずいき芋、これで仲間意識を確認。祝い物は少しでも又配って、お裾分けして共に喜んだ。

このお裾分けは食器も媒体として効用を発揮し連帯意識の強化に繋がっている。地方にはまだ残っている。

25日 運命共同体意識 米国式市場経済が跋扈しているが日本は家族的企業で繁栄してきたし、それを復元する企業こそ発展するのは物事の原理に適う。

市場経済で中国・韓国へ低廉な労働力だけを求めても、決して企業は安定しないと分かりつつある。終身雇用制で職人的な従業員の忠誠心こそ企業に絶対必要不可欠な要素であると先端的大企業の認識が復活中である。

26日

直会―なおらい

神社の祭りには「神饌」を供える。魚・野菜・塩・米・酒等である。お祭りが終わると「直会」で、お供えを食べたり飲んだりする行事がある。ここは神と人間の融合行為で神が降りてこられて食事を共にする意。

人と神の合流を「神人合一」、この直会を終えて正式に祭りが終わる。日本人の連帯意識、共同意識の確認行為である。
27日 一杯やろう

一杯やる、これで仲良くなれる日本人。

神の祭りの直会と同根、明るく、純潔な日本の神である。魂を分かち合い、意識の共有願望の行為である。

28日 紫式部の「源氏物語」 世界最古の近代形式のこの小説は1003年、これが書けたのは、紙があったから。

西洋は羊皮紙しかなかった。後になり広まったが、グーテンベルヒが印刷機械を発明したのが1448年。その時の紙は日本紙を56枚重ねたほど厚いものであった。

29日

トイレの紙

日本では、便所で紙を使う習慣は1180年代、平安時代からである。

西洋で、便所で紙を使う習慣は、貴族の中の貴族で、それも1620年代、ブルボン王朝のルイ13世ぐらいからである。西洋で庶民が紙を使うようになったのは、ごく最近と言われる。

30日 ナポレオンの権威?と「矢たて 三本の懸章がついている軍服は指揮官の印し。200年前、ナポレオンの頃、この懸章に作戦用エンピツ三本を架けており、「文字が書けるぞ」という証拠。 日本では、携帯用筆記用具として、800年前の「矢立」が現存している。現代の万年筆である。300年前の江戸時代には、町人・大工・職人など移動して仕事をする際にはみんな矢立てを使用していた。