. . 文学青年であった父の若き時代の「詩集」です。結婚後は俳句を詠むことに専念していたようですが、若い時代には、多くの詩を書き綴っています。
父が生きていたら、このような形態で公表することを止めたかも知れません。しかし、今は天の主イエスの御許にあって苦笑いしていることでしょう。若い頃の父の詩には、失恋、望郷、義憤、孤独、、、といった, 青年期に私たちが経験する様々感情が表白されています。

■   「紫陽花よ」

. 紫陽花よ
. そは
. いとけなかりし頃の忍び草

. あわれ
. 色あせしは

. 今もなお
. 小胸にのこる吾が思い出

. . . . . . . . . .                   年不詳

■   「恋ごころ」

.     夕されば
.     かどべにたちて

.     しとやかに
.     すぎゆく乙女の
.     うしろ髪

.     そとめでてみし
.     わがおもひ

.                  1929/03/14(父・26歳)

.                                                          画像ををクリックしてください。
.                                                        「父のルーツ紹介に飛びます」
高知県・越知町の大樽の滝


 ■ 「春の宵」

.     川べりに
.     ものおもひてや
.     春の宵

.     口ずさむ
.     ひとのこえして

.     おぼろげに
.     あたりかすめる
.     宵のみち

.     ひとりさびしく
.     影をおふ

.                    1929/03/13(父・25歳)


 ■ 「部屋とその主」

.     陽気なるこの部屋
.     なれど 住むその主
.     そは 淋しきうたびと

.     ひねもす心とかたらい
.     よもすがら心といぬ

.     歌唄ふ鳥のこえ
.     咲きほこる花のかほり
.     たえまなき生活(タキツキ)のしらべ
.     おとのふものみなたのし

.     されど 主
.     あはれひとみになみだあり

.                                              1929/02/ (父・25歳)



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