. . 文学青年であった父の若き時代の「詩集」です。結婚後は俳句を詠むことに専念していたようですが、若い時代には、多くの詩を書き綴っています。
父が生きていたら、このような形態で公表することを止めたかも知れません。しかし、今は天の主イエスの御許にあって苦笑いしていることでしょう。若い頃の父の詩には、失恋、望郷、義憤、孤独、、、といった, 青年期に私たちが経験する様々感情が表白されています。

■   「春」

. 赤いつばきの花が
. 唯一つ
. ポットリと散った

. 机によって
. ジッと見つめてた
. わたしのこころに
. かすかな胸さわぎを感じた

. 淡い春のひは
. いつとなく
. 木立のしげみからくれてゆく

 . . . . . . . . . . .             1927/03/ (父・21歳)

■   「春」

.     大地にほほえむ
.     忍従より更正へ
.     限りなき生の躍動は続く

.     電柱の長い影
.     陽炎の乱舞
.     猫の居睡り
.     小鳥の独唱

.     そこにも
.     ここにも
.     春
.     春

.                  1928/02/29(父・25歳)

.                                                          画像ををクリックしてください。
.                                                        「父のルーツ紹介に飛びます」
高知県・越知町の大樽の滝


 ■ 「春愁」

.     なげかなともの寂しき
.     春の夕べ

.     忍び入る風の冷たさよ

.     ひたひたとみちくる心の愁い
.     失恋に泣く若人の胸は
.     かくもおののきぬ

.     、、、、静かなる風よ

.     ああされど
.     み星うるむいつの夜にか

.     ありしその日を
.     果敢なき夢路に辿りつつ
.     去りにし人の面影
.     また偲びみんときもこそ

.                    1928/04/27(父・25歳)


 ■ 「春の日の午後」

.     窓辺の机に
.     われものおもふ

.     黒き雲
.     陽ざしをさへぎりて

.     暗きかげ
.     わがこころをすぐ

.                                              1929/02/27(父・25歳)



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