父が生きていたら、このような形態で公表することを止めたかも知れません。しかし、今は天の主イエスの御許にあって苦笑いしていることでしょう。若い頃の父の詩には、失恋、望郷、義憤、孤独、、、といった, 青年期に私たちが経験する様々感情が表白されています。
■ 「星をみつめて」 . 親を残して
. なつかしき故里を
. 独り旅立ちし
. 我
. 名もなさず
. 空しく日を送り行く
. 力なき
. 我
. 夕空に
. またたく星をみつめつつ
. 独り思いに耽くる
. 我
. 1926/04/13(父・23歳)
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■ 「四行詩:四季」 . 春
. 何気なく
. 開きみし文箱
. 朧月夜に
. 結ぶ夢のはかなさ
. 夏
. あへぎゆく
. 人々の群れ
. 舗道の上に
. 灼陽のかがやかしさ
. 又
. 蜩に
. 夕陽沈みぬ
. 蘇へりし
. 草葉のささやき
. 秋
. 待ちわびし
. 小床のまどろみ
. 窓辺に
. こほろぎの鳴く
. 1926/08/03(父・23歳)
■ ある時の思い出 . あの時は
. 泣きたかったのだ
. 目の前の苦悩に
. あの時は
. 嘆きたかったのだ
. 呪われた生涯を
. だが、、、、
. あの時は
. わけもなく声高に
. 笑ってみたのだった
. 1928/05/28(父・25歳)
. 死の陰の様なもの静けさで
. ひしひしと
. 宵闇が迫ってくる
. 遥かな赤い灯をみつめている心は
. 空虚な寂寞を感じる
. おお孤独を愛するものよ
. 汝の嘆息はそこに繰り返されるのだ
. 汝の思索はそこに求められるのだ
. いたましい過去も
. 物寂しい未来も
. みなその現実の寂寞の中にのみみいだされるのだ
. . . . . . . . . . . 1929/08/10 (父・26歳)