ゴジラ対自衛隊 〜映画の中の自衛隊〜

ゴジラシリーズ作品 ミレニアムシリーズ



ゴジラ2000ミレニアム

1999年12月公開。『ゴジラVSデストロイア』から4年。ハリウッド版の公開を受けて日本版の製作が決定。平成VSシリーズと比べても格段に進化した特撮技術。また身長を55mに設定しなおしたことでミニチュアセットをより大きく、より細部にこだわったセットが作れるようになった。本作のテーマ(?)はハリウッド版ゴジラに対するアンチテーゼだったように思う。通常兵器で死んだハリウッド版に対して、自衛隊を蹴散らして進んでいく日本版。怪獣を乗り越えなくてはならないものとして考えるアメリカと、絶対的な畏怖の存在でなければならないと考える日本。考え方の違いが出たようで面白い。詳細はコチラ




ゴジラ×メガギラス G消滅作戦

 2000年12月公開。1954年に東京を壊滅させたゴジラは東京湾で死んでおらず、首都は大阪に遷都された現代日本とは違う歴史をたどった世界。主人公はゴジラに憎しみを抱く、対ゴジラ組織・Gグラスパーの女性隊長。女性の主人公はゴジラ映画初の試みであった。対ゴジラの秘密兵器が原因で出現した古代の巨大昆虫メガヌロンが進化したメガニューラとメガギラスが今作の敵である。物語の軸はシリアスだが、作品自体の印象は明るくコミカルで、メガニューラの群れるシーンなどは迫力ある映像になっている、娯楽作品である。




ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

2001年12月公開。平成ガメラ3部作の金子修介監督を迎えて描かれたシリーズ第25作。ゴジラと護国聖獣、そして防衛軍との戦いを描いており、前作から一転して終始シリアスな印象を受ける。ゴジラ映画はそろそろ終わりとも言われていたが、ミレニアム以降のゴジラ作品では最大の観客動員を記録したため、シリーズは続くことになった。当初予定では敵怪獣はバラン、バラゴン、アンギラスだったが、知名度の高い怪獣をということでモスラ、キングギドラ、バラゴンとなった。このあたりは、金子監督をもってしても、50年近く続いたゴジラシリーズの制約から逃れられなかったのか……という気がする。




ゴジラ×メカゴジラ

2002年12月公開。『ゴジラ×メガギラス』の手塚監督が再びメガホンを取ったゴジラシリーズ第26作は、釈由美子さんを主役に再び戦うヒロインに挑戦している。ポスターに人間のキャラクターがメインを張ったのは東宝の怪獣映画では今作が初めてのことである。本作でのゴジラ対機龍(メカゴジラ)の戦いはスピード感あふれる、肉弾戦が披露された。やや消化不良で痛みわけのラストに、釈由美子さん主演での続編を求める声も強く、実際次の作品でも同一の世界観のもとで作品が製作されたものの、スケジュールの関係から登場人物は変更されている。




ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS

2003年12月公開。前作『ゴジラ×メカゴジラ』の続編であり決着編。本作ではモスラも登場しており、その設定は1961年の『モスラ』の設定をそのまま引き継いでおり、小泉博が同じ役名で出演している。つまりは1954年版のゴジラを含め3作品の続編ということになる。ストーリーは人間とゴジラ、モスラによる初代ゴジラの骨の争奪戦を中心に、その中で、機械好きの整備士の兄ちゃんが奮闘している感じ。ラストの自我を持ちゴジラとともに日本海に消えていく機龍の姿はなんだか切ない。残念ながら観客動員は当時のゴジラシリーズワースト3位に低迷し、シリーズ終了が決定した。




ゴジラ ファイナルウォーズ

2004年12月公開。ゴジラ最終作に相応しく、監督に次世代を担う若手クリエイターの一人として頭角を現していた北村龍平氏を起用。総制作費20億とシリーズの中でも破格の制作費を投じ、シリーズ史上最多の14体の怪獣や『海底軍艦』の轟天号が登場。地球支配を狙うX星人との死闘を繰り広げる。しかし、観客動員はシリーズワースト3位の100万人と前作の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』をも下回り、興行収入も12億強にとどまった。それは、この作品の弾けっぷりが伝統的なゴジラ映画を期待していた人たちには受け入れられなかったからか。あるいはもはやゴジラというコンテンツの賞味期限が切れたことの証明なのか。改めてゴジラ映画とは何なのか問われる作品である。


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