. . 文学青年であった父の若き時代の「詩集」です。結婚後は俳句を詠むことに専念していたようですが、若い時代には、多くの詩を書き綴っています。
父が生きていたら、このような形態で公表することを止めたかも知れません。しかし、今は天の主イエスの御許にあって苦笑いしていることでしょう。若い頃の父の詩には、失恋、望郷、義憤、孤独、、、といった, 青年期に私たちが経験する様々感情が表白されています。

■   「いつか君と」

. いつか君と
. 語らへし
. 川辺の柳に
. 春雨の
. 垂るる今宵の
. 淋しさは
. 君去りまして
. 二つ年
. 独り小床の
. まどろみよ
. . . . . . . . . .                   1926/04(父・20歳)

■   「君よ帰りませ」

.     焼けただれし
.     孔雀のはね
.     これぞ吾胸の
.     悶えなる
.     堅き契りも
.     今は唯
.     夢見し昔の
.     忍び草
.     君よ帰りませ
.     我許に
.     君よ帰りませ
.     我許に

.                  1926/05(父・23歳)

.                                                          画像ををクリックしてください。
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高知県・越知町の大樽の滝


 ■ 「岩間の白百合」

.     真夏の
.     烈しい日を浴びながら
.     雄々しく咲いていた
.     岩間の白百合

.     誰か来て
.     そとかき抱いて
.     接吻しようとした
.     岩間の白百合

.     唯一匹の
.     みにくい毛虫のため

.     果敢なくも
.     打ち捨てられ
.     焼けつくした岩石の上に
.     萎れて死んだ

.     憐れなその姿
.                    1926/07/22(父・20歳)


 ■ 「雨にくるる日」

.     今日も亦
.     雨にくるる
.     淋しき日

.     音もなく
.     桐の葉一つ
.     散るを見し

.                                              1926/08/03 (父・20歳)



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