. . 文学青年であった父の若き時代の「詩集」です。結婚後は俳句を詠むことに専念していたようですが、若い時代には、多くの詩を書き綴っています。
父が生きていたら、このような形態で公表することを止めたかも知れません。しかし、今は天の主イエスの御許にあって苦笑いしていることでしょう。若い頃の父の詩には、失恋、望郷、義憤、孤独、、、といった, 青年期に私たちが経験する様々感情が表白されています。

■   「水辺の春」

. みずはじっとして
. ながれようともしない
. 岸のやなぎの枝は
. いくすじもながく水面に垂れて
. 緑の若芽が
. みな幸福そうに
. 微笑んでいる
. 幾列ものめだかが
. 水のなかで
. 春の行楽を貪っている
. . . . . . . . . .                   1927/03(父・21歳)

■   「ともしびのもと」

.     ともしびのもと追憶の
.     はかなきほそ糸
.     たぐるもの

.     あはれ ひとみに
.     いときよき
.     悔いのなみだはやどすとも

.     などて なげかん
.     ありし日を
.     過去のかほりと
.     思へかし

.                  1929/03/11(父・23歳)

.                                                          画像ををクリックしてください。
.                                                        「父のルーツ紹介に飛びます」
高知県・越知町の大樽の滝


 ■ 「子は去りぬ」

.     子は去りぬ
.     やまひえて
.     いとけなき身を
.     眠るごと

.     あはれ 母
.     ひとりいて
.     うけし頬づり
.     偲ぶごと

.     葉かげもる
.     梅雨ばれの陽ざし
.     ものさびし

.                    1929/05/27(父・23歳)



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