神学小論文集 ■ 「聖化の転機と人間性」 − 小論文三部作 


■  神学小論文 T:その1:「全き潔めの転機と人間性」

「潔めと瞬時性」
(執筆:1999/07/30)

要  旨

.  誕生と死という二つの転機に挟まれた我々の地上での人生は、大小様々な転機とそれらを結ぶ過程から成立っている。聖書の救いは「御霊による聖め(潔め)」と表現されているが、この潔めの経験も転機と過程から成り立っている。すなわち、第一の転機としての初時的聖化、第二の転機としての全的聖化、そして、二つの転機を結んで、その前後に存する潔めの過程的な諸面とである。  本論文は、全き潔めの経験が転機的であることを論証することをもって、その趣旨としている。それは聖書全体の教えとして論述されるべきものであるが、殊に、潔めに言及する動詞におけるアオリスト時制の使用、全き潔めの教理にみる論理的必然性、実践的観察、そして、明瞭にその真理を教えている聖句の釈義から、それが論証されている。  しかし、問題は、むしろ「第二の」転機を教えながら、何故、第三、第四と続く転機を主張しないのかとの点、また、全き潔めの瞬時的恵みを体験しながら、その後に自覚するある罪への傾きとの戦いをどのように理解するかとの点、に存する。それで本論文は、初時的聖化の内容を見直し、罪の腐敗性(Depravity)を分析的に学ぶことによって、その問題を、個々に習得された罪への傾きの克服との観点から解明しようとするものである。

■      神学小論文 T:その2:「蔦田二雄に聖化論を学んで」

■      神学小論文 T:その3:「蔦田二雄に聖化論を学んで」(続)

■      神学小論文 T:その4:「R. Taylor 対 M. Wynkoop」

■      神学小論文 T:その5:「きよめとは何か:過去の清算」(分科会講義メモ)

■      神学小論文 T:その6:「ローマ人への手紙6章19、22節」(M・M師からの質問に答えて)

■      神学小論文 T:その7:「ウエスレー神学における罪と弱さ」(М・F師の論文を読んで)


■ ここに収録された小論文の3部作は、それぞれ異なった機会に、教団の聖宣神学院、神学委員会、また、四国教区会のために執筆したもので、最後の小論を除いては、それぞれ論集として発行されたものです。
  その他の小論などは、様々な機会に書きしるされました。


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