カードとカードリーダーを気にする話(2014.08.23)

あまり大容量を扱っていないと気づかないかもしれませんが…

 皆さんは、デジカメなんかで写真を撮影して、それらのデータをキチンと保存・管理をしていますか?。今回、あえてそういう話はするつもりはないですが、大事なことなので今一度。

 で、私の場合、こうも写真撮影が趣味になってくると、見事に扱うデータが増えてきます。

 皆さんは、デジカメの画像ファイルの大きさってどうしていますかね?。人によっては昔の感覚で、少し小さい画素に落として保存している人も多いかもしれません。私も以前はそうしていましたが、一度画質を落とすと元に戻せない、ということや、写真を動画化するときに、HD画質まで持っていくとそこそこ画素数が無いと厳しいということもあって、最近ではフルで撮影します。ただ、そうなった場合に問題になってくるのは容量。最近はRAW撮影もするようになったので、SDカードからの読み込みの量と時間も増えてくるわけです。

速度がカードに依存するのをご存じですか?

 意外と知らない人も多いようですが、SDカードにはClassと呼ばれる読み書き速度の速さを示す表示が必ずあります。

  

 この数字が大きくなるほど、書き込み速度が速くなります。

 さらに、CLASS10の上には、こういうマークが付いているものがあります。

 このマークをUHS Speed Class 1と言って、さらに高速だという目安になります。今流通しているものでは、大体このUHS-Iまででしょうが、既にUHS-Ⅱ、UHS-Ⅲも発表されています。

 はてさて、問題はこのカードの違いで、実際にどれだけの差が出てくるのかです。今回は、あえて、カード内のデータを読み込む時の時間だけで見てみたいと思います。

 私の手元にあったいろんなクラスのSDカード。といっても、Class 6のFlash Airは無線機能内蔵、Class 10はmicro SDなので、きちんとしたフェアな戦いではないですが、まぁ参考までに。

 ちなみに、読み込んだデータは、私の写真用途に合わせて、RAWデータとJPEGデータあわせて128個で2.03GBというファイルです。

 記録がこちらです。

 数字の並びが意外に思うかもしれませんが、これは、Classというものが、あくまで速度の最低値を保証したものであって、下のClassであっても意外と速かったりするからです。

 一番速いUHS-IカードとClass 2のカードでは、実に6.9倍もの差があります。それに、同じClass10であっても、ノーマルかUHS-Iなのかで、かなり速度が違うのもよく分かると思います。

 ただ、これはまだ2GB程度の容量なので、これぐらいのものですが、この数字を元に、32GBカードに換算するとこうなります。

 なんと、UHS-Iカードだと約6分で終わる作業が、Class 2のカードだと約42分もかかります。その差、実に30分です。この差は馬鹿にはできませんよ。

最近では機械自体が速いカードを求める場合も

 以前は、特別、PCなどで読み書きをするような場面で無ければ、それほどSDカードのClassが影響することはありませんでした。

4K対応は速いカードが必須

 しかし、最近では写真だけではなく、特に動画で4Kのような高画質な映像になってきたことで、容量が大きくなり、それによってSDカードへの高速な書き込みが求められることが増えてきています。つまり、きちんと速度の速いカードでないと、その機械自体が使えないということです。

私のように連写をバカバカやる人に必須なUHS-I

 実は、私の場合は、サーキットで流し撮りをする際に、連写をバカバカしています。なので、1日でスゴい枚数になるのですが、カメラで連写をする場合、単純な容量よりも書き込み速度の方が重要なことがあります。というのは、カメラの場合は、一度撮影した写真を、カメラ内のバッファと呼ばれる部分に一時保管して、そのデータを随時カードに書き込んでいきます。通常のように1枚ずつ撮影をすれば、このバッファがいっぱいになることはないのですが、連写などをすると一気にバッファがいっぱいになってきてしまい、このバッファが減るまで次の撮影ができなくなってしまいます。

 で、どうやったらこのバッファが速く空くかというと、どれだけ速くカードにデータを書き込めるかなんです。そういった場合に、UHS-I対応カードかそうでないか、というのは大きな差が出てきます。

 しかし、気をつけないといけないのは、UHS-Iについては、カードだけではなく、カメラ側もUHS-Iに対応している必要があります。もちろん、使えないわけではありませんが、本来の速度を生かすことはできません。

 なので、そのあたりは十分に気をつけて購入をしましょう。

特売のSDカードはCLASSを気をつけろ

 ここで言いたいのはただ1つ。

 特売で1枚数百円で売っているSDカードは、CLASS表示に気をつけろ!

 あとは、

 単純に値段だけでSDカードを選ぶな!

 ってことですね。実際に、見てみるとClass 2やClass 4のものだったりすることが多いです。逆に、たまにですが、CLASS 10のカードが特売だったりすることもありますので、そういうヤツを狙いましょう。

カードリーダーの性能によっても大きく変わってくる

 いよいよ、ここからが今回の本題です。

 SDカードの読み込み速度というのは、単純にSDカードの性能だけでは決まりません。もう1つ重要な要素が、カードリーダーの性能で変わってくるということです。

キッカケはスロットの不調から…

 実はこの点、私自身、舐めていました。

 キッカケは、内蔵メモリースロットの不調でした。

 購入時から付属していた内蔵メモリスロットをずっと使っていたのですが、ある頃から、肝心なスロット部分の接触不良があって、上手く認識にない症状が出てきたので、外付けのカードリーダーを購入したのです。で、その時は何気なく、どうせなら「USB3.0対応がいいんじゃないの?」ってぐらいな気分で購入しました。そこで、購入したのがこちら。

 ただ、これが実際に使ってみると驚くほど速度が違うんです。それこそ、今まで何をしていたんだろう?って思うぐらいでした。

事件はもう1つ起きます

 それは、2014年3月に鈴鹿サーキットにファン感謝デーに行ったとき。1日目が終了してホテルに戻り、2日目の為にSDカードの中身をノートPCにコピーしていたときのこと。

 この頃には、USB3.0のカードリーダーを使っていたので、その速さに慣れていたのもありますが、ノートPC内蔵のカードスロットで読み込むのが、まぁ見事に遅いこと遅いこと…。

 その遅さに、愕然としました。

 そんなこんながあったことで、本格的に鈴鹿に出かけるときには、桁違いの容量になるのが分かっているので、一度、このカードリーダーの性能というものを知っておきたい、できればノートPCでのカード読み込み速度が速くならないか?、というのが今回の記事のキッカケなんです。

やっぱり遅い内蔵スロット

 今回は、前回で使用したTranscendのUHS-I 600xカードを使用して計測をしました。

 これで分かるのは、

①デスクトップで、内蔵スロットとUSB3.0カードリーダーで速度が3.8倍も異なる

 ということ。この差は実に大きいです。

 あと、

②カメラをUSB接続しての読み込みは無茶苦茶遅い

 ということ。USB3.0カードリーダーと比べると、実に8.4倍です。これはいくら何でも…っていう感じです。

 さらに、残念なことに、

③USB3.0非搭載のノートPCにUSB2.0接続すると、内蔵スロットとあまり変わらない

 とりあえず、幾分かは速くなったようですが、それほど劇的に速くなるということはないようです。やっぱり、外付けのカードリーダーは、USB3.0だから爆速になるという感じなのでしょう。

なんとかしてノートPCでUSB3.0に対応できないか?

 でも、このままでは、カードリーダーを持参して行ったところで、そんなに読み込み速度が変わらない。なので、なんとかしてノートPCでUSB3.0に対応できないか?と考えたわけです。

 そう考えたときに、昔、ノートPCにはPCカードってのがあったなぁと思って、自分のノートPCを見つめてみるものの、それらしいものが見つからない。

 「何だよ!。今時のパソコンはダメだなぁ~(*`Д´*)」

 と思いながらも、一様それとな~く、自分のノートPCの型番から検索してみると…。

 何だよ、あるじゃんかよ。( ̄ー ̄)

 で、場所は発見するも、今度は開け方が分からない。昔のPCカードの場合は、取り出し用のボタンがあったりしたけど、どうも見当たらない。で、いろいろと格闘した結果…

 押したら空きました。なんでもない、空のカバーが刺さっていただけだったのか。でもこれで、拡張性の道が開きました。

ExpressCard/32を使って、USB3.0を増設

 そもそも論として、USB3.0の理論値5Gbit/sに、このExpressCardは大丈夫なのか?という素朴な疑問があったが、いざ調べてみると、ExpressCardの理論値は4.5Gbit/sだそうで、これならカードリーダーだけでなく、外付けHDDなんかも使えそうな予感…。

 ということで、今回投入したのは、バッファローのIFC-EC2U3/UC2です。

 それほどお高いものでもないです。

では、早速テストしてみましょう

 グラフの灰色の部分が、CrystalDiskMarkで計算した理論値で、青色の部分が実際に計測した時間です。グラフを見て頂いた通りですが、理論値から行けば、デスクトップの場合に匹敵する速度が出てもいいはずなのですが、実際には、もう少し遅いタイムになりました。

 それでも、通常のUSB2.0接続よりも約半分になっています。となると、それなりの効果は出てきそうです。