SONY/α6000を購入。とゆかいなレンズ達
(2015.04.19)

物欲とは怖いものです

 NEX-5Tを購入して3か月ばかし。あのときは、

「(Eマウントへ移行していくのは)単刀直入に言えば、しばらくは無いと思います」

 と答えておきながら、このありさまです。

 ただ、適当に物欲に負けて購入したのではありません。一様、私なりに考えた末に出した結論ではあります。で、もちろん、そのキッカケはいくつかあります。

そもそも、NEX-5Tの印象が悪くなかった

 以前、NEX-5Tを購入した時にも述べましたが、私にとって、そもそもEマウントミラーレスの印象は良くはありませんでした。といっても、すべては2014年3月の鈴鹿サーキットのファン感謝デーに、レンタルしたNEX-6を持参したときの印象というか、レンズキャップを無くしてしまったのが大きいのでしょう。

何だかんだ言いながらも、結構使い勝手の良いNEX-5T

 ただ、実際に昨年末にNEX-5Tを購入して使っていくにしたがって、確かにUIの使いにくさなどなど細かい不満点はいくつかありますが、総合的には私の中での評価は悪くありません。やはり、カメラは携帯して、持ち出してナンボというところあるので、あのコンパクトさは何よりにも勝るところがあります。それでいて、さすがAPS-Cと思わせる余裕感。TLMが無い分、α77やα77ⅡとNEX-5Tが同等の高感度耐性を持っていることで、「ちょっとしたことならNEX-5Tでいいじゃん」と思わせてくれます。さらに、DMFでピントを追いこむときに、自動でピント拡大してくれるのもうれしい所。

 そんなこんなで、「意外とEマウントっていいじゃん!」と思うようになった訳です。

標準パワーズームへの不満

 その一方で不満があるのは標準のパワーズームレンズ。確かにコンパクトさはあるのですが、めちゃくちゃコンパクトという感じではない。しかも、レンズフードが無いので、レンズキャップを外したまま首からぶら下げるのには抵抗感があります。それなら、倍の大きさがあっても、花形フードがあったほうがいいじゃん!って。コンパクトさを求めるなら、コンデジでいいんだし。

 そして、良し悪しと表裏一体なのが電動ズーム。確かに動画撮影時には重宝するのでしょうが、写真撮影時には不用意にズームレバーに触れてしまって画角が変わってしまうというのも度々あります。そういった意味では結構不満のあるレンズです。

E 16-70mm F4が気になる…

 そんな標準パワーズームへの不満がある中で、NEX-5T購入直後から気になっていたのが16-70mm F4のツァイスレンズ。正直、写りの評価がメチャクチャいい訳ではないことは、事前リサーチの中でも知っていました。ただ、お金を出してパワーズームではない旧標準ズームを買うのもなんだし、今後長く使うことを考えたら、まぁ悪くないかと。

 そして何より、16-70mmという画角。35mm換算だと24-105mmなので、まぁこれで基本的には事足りるんじゃないかなぁと。RX100が28-100mmで、そんなに望遠側に不満は無いですからね。しかも、広角も24mmまでいけるので、基本的にはこのレンズ一本で、ちょっとしたお出かけには99%対応できるだろうと。そういう思惑がありました。

Aマウントボディ2台体制の負担

 もちろん、本気で撮影するには、α77Ⅱとα77のAマウントボディ2台体制ってのは理想ではあるんだけど、サーキットなどではピットウォークのためにサブボディを持ち歩くのも結構苦痛。確かに、あれこれ持って行った方が、現場で後悔しないということはあるのですが、正直、ガッツリ撮影したくても、できるだけ荷物を減らしたいなぁと思う場面があるんです。

 かといって、RX100で妥協するってのも、「一眼で望遠で撮っているのに、もう一台はコンデジ!?」って思われたくない。

 などなどのような理由で、ここ最近、気になり始めていました。

そこにやってきた限定特売とキャッシュバック

 実は、鈴鹿のファン感に行く前に、望遠レンズでも買おうかなぁとちょっと考えていた私。純正の70-400mm Gは確かに写りがいいし、AFも爆速らしいけど、値段がちょっと…。で、TAMRONの150-600mmも考えたが、SIGMAの150-600mmの切りのいい画角で簡単なロックができるというのにすごい魅力を感じ(しかしSIGMAは、CP+の発表でAマウントのリリースが消えてしまった。だが、発売が遅くなるだけで、開発はしているという噂も…)結局踏ん切りがつかなかった。それに何より、望遠はトリミングすればどうにでもなるし。

 そこでふと考えたのがα6000。で、α6000+SEL1670Zのセットが12万円という特価を発見。α6000は、時間が経てば経つほど値下がりするだろうが、SEL1670Zって8万円弱でそんなに下がらない。で、そこにα6000の5,000円キャッシュバックキャンペーンもあるので、実質的にα6000が35,000円!!。これは買うっきゃない!!と思い、3日ほど悩みましたが、買ってしまいました。

α6000は完成度の高いミラーレス機

 そもそも、電気店では行く度と言っていいほどの回数操作をしてきていたα6000。改めて触ってみて、その完成度の高さは、「やっぱりな」と思える完成度です。



①操作性

 NEX-5Tの大きな不満点は、やはりあのUI。ちょっとした設定をしようと思っても、そう簡単にはいかないという歯がゆさがありました。その点、α6000ではNEX-5Tにある十字キー+Fnキーに、カスタムボタンが2つあり、しかもFnキーは自由に設定できるとあって、そのカスタマイズ性はα77Ⅱ譲りです。私の場合、ISO感度はあまり操作する機会が少ないので、右キーにホワイトバランスを、C1にフォーカスモード、C2にフォーカスエリアを割り当てています。あと、MENU画面もα譲りになったことで、飛躍的に使いやすくなりました。

②EVF

 NEX-5Tとの違いの1つでもあるEVF。手軽に撮影できる上では、NEX-5Tも悪くないのですが、日中の野外で天気がいいと、液晶モニタが見えないっていうことがちょくちょくあるんですよね。そういったときに、EVFの有無は大きいですね。あと、ガッツリと撮影したいときはEVFを覗きながら撮影することで、ピントの山も捕まえやすく、撮影がしやすいですよね。

 一部には、NEX-6よりもドット数が減って…という不満も出ていましたが、個人的はこの性能でいいんじゃないかな?と思います。

③AFの速さ

 α6000のウリの1つでもあるAFの速さ。ミラーレス機の中でも「爆速」と評判の高いAFなので、その性能に期待していました。

ついでに、投入したレンズも紹介

SONY/Vario-Tessar T* E 16-70mm F4 ZA OSS(SEL1670Z)

 EマウントのAPS-Cサイズの小三元ズームの1つの標準ズームレンズ。35mm換算で24mm~105mmという使い勝手のよい画角のレンズです。そして、私にとって初めてのカールツァイスレンズです。

 正直、そこまでの作品作りに繋げるまでの撮影をしていませんが、何より普段使いにいいというのが良いですよね。Aマウントだと、16-50mm F2.8と明るいものの、テレ端が50mmで”もうちょっと望遠が…”という気持ちが強かったのですが、その点、このレンズでの不満は無いですよね。

 強いて言えば、確かにこのレンズを付けると、標準ズームキットのパワーズームレンズと比べると、だいぶん大きくなってしまうという問題もあります。それでも、こっちの方がレンズフードがない分、そのまま持ち歩くことに抵抗感はないです。

SONY/E 10-18mm F4 OSS(SEL1018)

 EマウントのAPS-Cサイズの小三元ズームの1つの広角ズームレンズ。35mm換算で15mm~27mmということで、Aマウントで持っている8-16mm(35mm換算で12-24mm)にはおよびませんが、広角の世界を手軽に写せるというのは何よりも心強いです。何よりコンパクトさと軽さ。一瞬、おもちゃじゃないの?と思うぐらいの軽さです。

 しかも、テレ端が27mmまでいくので、ちょっとしたスナップ的に撮影するレベルであれば、あえて標準ズームレンズにレンズ交換をする必要すらありません。

 しかも、コイツの写りがメチャメチャいいんですよね。以前に、花回廊のイルミネーションで撮影したのがこちら。

 厳密に言えば、この時に使ったボディはNEX-5Tですが、これが手持ちなんですからね。スゴいもんです。

 しかも、このレンズのもう1ついいのは、広角レンズなのにφ62mmのフィルターが付けられるというところ。なので、場合によっては、NDフィルターとかPLフィルターとかを使うことも可能です。

実際に鈴鹿のファン感で使ってみた

 ということで、実際に3/7-8の鈴鹿サーキットのファン感謝デーに持ち込みました。ここでは、

・α77Ⅱ + 70-300mm G or 70-200mm F2.8
・α6000 + 16-70mm F4
・NEX-5T + 10-18mm F4

 という組み合わせでした。

十分流し撮りも可能

 正直、一番の望遠端が70mmまでのレンズしか無いので、大したテストが出来ていませんが、そこでの雰囲気的には十分対応できそうな感じです。確かに、EVF独特のチョットした遅延は無いわけではありませんが、コツさえつかめばそんなに難しい話では無いと思います。

C-AFと絞り値

 これについては、問題になる人とならない人がいるかもしれませんが、実はSONYのEマウント機の像面位相差AF(要はC-AF)が作動するのに絞り値の制限があります。α6000の場合は、F11よりも小さくないと像面位相差AFが動作しません詳細はこちらを参照)。これがNEX-5TだとF6.3以下、α7だとF8以下とされています。

 これがどういうときに問題になるかというと、シャッタースピード優先で撮影する場合です。絞り優先だとその点を気にすればいいだけかもしれませんが、シャッタースピード優先でシャッター速度を遅くすると、否応でも絞り値が大きくなってしまいます。私も、サーキットで流し撮りをしてみようとしたときに、像面位相差AFが駆動しなくて「あれ?」と思って気づきました。

 Aマウントだと、AF時は開放F値で測光して、シャッターが下りるときに絞って撮影する形になりますが、Eマウントだと、そもそも撮影時から絞りを動かす仕様になっているので、その点を気をつけた方がいいでしょう。

唯一で最大の欠点”水準器の非搭載”

 実は購入前からわかっていた話ですが、これは実際に撮影をしてみるととても大きな問題です。というのも、EVF搭載機といえども、ミラーレスということで、どうしても液晶画面だけで撮影することが多いわけですが、その時に水準器がないと、家に帰って見てみたら傾いてしまっていて…というのが意外と多いです。

 で、まだこの水準器が背面液晶の時だけない…というのならまだ許せるのですが、EVF撮影時も水準器が表示されません。これは、ハッキリ言って、最大の欠点だと思います。正直、5,000円高くてもいいから付けろよな!という感じのレベル。少なくとも、カメラの中には傾きセンサーは搭載されているだろうから、ファームウエアの書き換えでどうにかならんですか?。

スマートフォンシンクは便利…なのだが…

 「スマートフォンシンク」という機能を御存じだろうか?。これは、カメラの電源をOFFにしたときに、カメラがスマホに写真データを自動転送するという機能。最近のSONYのデジカメならWi-FiやNFCに対応しているので、スマホへの転送は簡単なのだが、さらにいろいろな手順を踏まなくても、ただ電源をOFFにするだけで写真が転送されるというのは、ある意味画期的。

 しかも、写真サイズは、どういう保存の仕方を選んでいたとしても、リサイズされた2Mの画像で送られてくる。これは、RAWのみでも同様。そのため、できるだけカードの容量を抑えるために、RAWのみでの撮影をしつつも、スマホには容量をできるだけ圧迫しないように、2MのJPEGデータを転送し、SNSなどにアップする…なんてことが簡単に出来てしまう。

 これまで、あまり感じていなかったが、いざこの機能を使って、どんどん撮影したデータがスマホに転送されてくると、それはそれでTwitterなどのSNSにアップしたり、LINEで送りたい…という欲求が出てくるぐらい、それはそれで便利である。

 ただし、実際にはいくつか引っかかることがあります。

①スマートフォンシンク動作時にパワーズームが収納されない

 これは、自分も使っていて驚いたのですが、標準のパワーズームレンズを装着時に、電源をOFFにしてスマートフォンシンクを動作させると、パワーズームが収納されません。これは、レンズの仕様自体がそういう形になっているのかもしれませんが、これは結構面倒です。

 レンズが収納されないと、ポケットに入れておくってことも面倒になりますから、結局は転送している間は収納できないっていうめんどくささが出てしまいます。

②スリープ中だと転送されないスマホ機種もある

 これは、カメラ側の問題というよりも、スマホ側の問題もあるのでしょうが、スマホがスリープ中だと、うまくスマートフォンシンクが起動しないこともよくあります。一様、Androidの場合は、機能設定でスリープ中にWi-Fi接続をする設定があるようなので、それをオンにしておけば問題ない機種もあるようですが、私の場合は、指紋認証をオンにしているためか、スリープ中はうまくいかないことが多いです。また、iPhoneの場合は、そもそもスリープ中にWi-Fi接続する機能がないらしいので、うまくいかないかもしれません。

 また、スリープ中でない状態でも、PlayMemories Mobileが起動している状態じゃないと、うまく転送できないようです。

 といいながらも、この点については、スマホの設定を確認すればいいだけのことなので、まぁまだ許せる範囲かもしれないですね。

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