SONY / RX100Ⅴを購入。3ヶ月インプレッション(2017.01.02)

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 RX100m3を購入したのが2015年7月。そして、今回のRX100Vの購入が2016年10月と、1年3カ月での買い替えということで、たぶん今までのコンデジの買い替えタイミングとしては最短かもしれません。しかも、発売直後に購入するというだいぶんな冒険をしてしまいましたが、細かく見ていくと、いい選択だったかもしれません。

 本来は、購入直後に記事を書こうと思っていましたが、何だかんだしていたら年を越してしまったので、3ヶ月インプレッションも兼ねて紹介したいと思います。

RX100m3に対する不満点

①AFが遅い

 これは、正直"病的"なところなのかもしれませんが、普段からα6300やα6000のAF速度に慣れてしまうと、RX100m3とはいえコンデジなので、なかなかAFがあってくれない。むしろ、コンデジだからこそ、電源を入れてパパッと撮影して…とやりたいのに、AFが遅いのはなかなか厳しいです。

 とはいっても、それでもワイド端でのスナップショット的な撮影であれば、まだいいのですが、ちょっとした”ここぞ!”というタイミングの時に、Eマウント機を持っておらず、RX100m3を出すもAFが合わず…というのもありました。なので、コンデジでもAF性能にこだわりたいという思いはありました。

②スマートフォンシンクに対応していない

 RX100m3は、Camera Appsには対応をしてくれているのですが、写真をスマートフォンに自動転送してくれるスファートフォンシンクには対応してくれていません。もちろん、NFCを使ったり、Wi-Fi接続をして転送することはRX100m3でも可能なのですが、サーキットなどでその都度転送するのは面倒ですし、”この日の画像を転送する”という選択肢も、前回転送時からの差分転送には対応していないので、何かと不便でした。

RX100m3の下取りという話

 前回のRX100⇒RX100m3の時もそうだったのですが、RX100シリーズはコンデジとはいえ、高級路線のカメラなので、意外と下取り相場もいいんですよね。

 今回も調べてみたら、マップカメラで\45,000という相場。これだと、実質的にRX100m5が7万円ぐらいで購入できる計算になります。

 もちろん、それでもお高いのは事実なのですが、コンデジは毎日カバンに入れて持ち歩くカメラなので、ここぞというときに持ち出すデジイチとはまた価値が違います。そして何より、RX100m5が私の中でほぼほぼ最終系のコンデジ性能だろう(欲を言えば、強力な5軸手ぶれ補正を搭載してほしいですが…)から、ここで買ってしまえ!という感じで勢いで購入しました。

案の定、新鮮味が全くない…

 実は、前回の買い替えのときもそうでしたが、RX100m3からRX100m5に買い換えたとはいえ、兄弟機なので、新鮮味がありません。なんなら、初号機からRX100m3になった時は、ボディが多少厚くなったり、液晶画面がチルトするようになったりという外見的な差も多少はありました。ただ、今回は外見はほとんど同じ

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 パッと見て分かる違いはあんまりありません。強いて言えば、レンズのところのリングの刻みが少し変わったぐらいで、あとは全くと言っていいほど同じボディです。

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 そりゃあ、新鮮味も何もありません。ちなみに、今回は純正の液晶保護フィルムではなく、サードパーティー製のガラスを貼ってみました。格安のそれほどいいものではなかったのですが、なかなかいいですよ。

真っ先に感じたのは、AF速度よりも測距点の多さ

 RX100m5の最大の特徴は、やはり像面位相差AFに対応したこと。なので、実感としても、AF速度の速さを感じるのかな?と思っていました。

 ただ、実際には、確かにAFは速くはなっているけど、シャッター半押しからの測距までにはα6000なんかよりも多少は遅れる感じがあるので、驚くほど速いという感覚はありません。もちろん、それでもコンデジと考えれば速いんですけどね…。

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 それよりも、むしろ感じたのは、測距点の多さにより、ピンポイントでAFを合わせやすいという点です。普通のコンデジの場合、コントラストAFなので測距”点”というよりも、測距”枠””という印象が強く、「ここにピントを合わせたいよ」というときも、とりあえずそこを枠で囲うというイメージで撮影することが当たり前でした。

 それが、今回のRX100m5になって、測距点が315点も細かく配置されていることで、被写体を"枠”ではなく、”点”で捉えているイメージに近くなりました。これを一番感じるのは、何か決まった被写体を撮影するとき。私は仕事上、植物を撮影することが多いのですが、RX100m5でAF-Cで撮影をすると、葉や茎のところにAF点が表示されて、「ここにAFを合わせていますよ」というのがはっきりと分かります。そして、その食いつきも以前よりも全然いいように感じます。

 例えば、広い葉っぱを撮影したりすると、普通にAFが合うのですが、細長い葉が1枚あったりするのを撮影すると、今まではなかなかAFが合わなかったんです。それで、DMFにしてピーキング表示をして、結局最後はMFで合わせて…という作業をしていました。それが、測距点が細かいことで、細長い葉でもドンピシャでAFを合わせてくれる。これは本当に感動しました。

 もちろん、こんなこと、α6300/6000では当たり前の話なのですが、コンデジでこれが出来るというのが最高なんです。もちろん、DMFでのピーキング表示もいいのですが、被写界深度が深いと画面全体にピーキングが表示されて、結局どこにピントが合っているのか分かりにくいし、逆に被写界深度が浅いとピーキングが一部にしが表示されないので、それもそれで見にくい。で、その都度ピーキング感度を調整するのも面倒なので、意外とフラストレーションが溜まるんですよね。

 その点、RX100m5のように測距点が表示されれば、間違いなくそこにAFを合わせているのが分かるので、安心して撮影ができます。これだけでも撮影していてよかったと思います。

まともに使えるAF-Cと瞳AF

 これまでのRX100m3までは、AF-C(コンティニュアスAF)はホントおまけという感じで、酷いときにはレンズが前後して、ピント合わないんですけど…みたいなことも起きていました。それが、普通にαシリーズと同じようにAF-Cが使えます。

 個人的には、「そんなにRX100m5で動体ものを撮影しないしなぁ…」とも思っていましたが、実際は先ほどの植物でも風に揺れたりするとピントもズレるわけで、そういった場面でもAF-Cはとても重宝します。

 これはGoodです。

 実は、測距点が増えたことと、AF-Cがまともに使えるようになったことで出来るようになったのが、AF-Cでの瞳AFが対応になったことです。まあ、そもそも論として、RX100m5での撮影で瞳AF必要なのか?ってこともありますが、70mmでポートレートっぽく撮ることもあるかもしれないので、この機能は地味に大きいです。何気に、AF-Cでの瞳AFって、α6000は非対応なんですよね。

 ちなみに、像面位相差AFといえば、F値の限界があります。RX100m5の場合は、F8以上になると像面位相差が効かなくなるので、注意をして下さい。まあ、RX100シリーズでそこまで絞る人はいないと思いますが…。

意外と知られていないホイールロック

 これ、結構知られていないのですが、RX100シリーズやα6000系のカメラを使っていると、右手の腹の部分がコントロールホイールに触れてしまって、気付いたら絞りが変わってしまった…な~んてことが良くあるんですよね。特に手の大きな男性はよくあるのでは?

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 ただ、実は「ホイールロック」という機能があって、このホイールをロックすることが出来ます。MENUで、「ホイールロック」を"入”にしておけば、Fnキーを長押しすることで、ホイールをロックすることが可能です。この機能、ありがたいのは、ロックされるのはホイールだけで、ドライブモードやWBなど方向キーに割り当てているものは、問題なく操作が可能です。

 実は私も知ったのは去年の途中ぐらいからでした。特にRX100m5の場合は、私はたいていF4ぐらいで固定で撮影してしまうので、大概ロックをしています。また、α6300/6000などでも、PWやGWでの撮影でF4開放で固定したい!なんて撮影の時にはロックすることはよくあります。結構知らない方も多いようなので、知っておくと便利だと思います。

不満点が無いわけではない

このコネクタのフタ、どうにかならんかな?

 実は、一番普段使っていてスゴいストレスがあるのはここかもしれません。

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 RX100シリーズというか、SONYのカメラの便利なところって、このマルチ端子でデータの吸い出しが出来るのはもちろんのこと、USB充電が出来るという点。なので、大量な枚数とかではない限り、帰宅をして、カメラをPCとUSBで接続して画像を取り込んで、そのまま放置しておけば、充電が可能です。なので、電池の取り出しも不要だし非常に便利でいい機能なのです。

 がしかし、なぜかこのRX100シリーズのUSB端子のフタは、いちいちツメで起こさないといけないような形になっていて、これが結構壊れやすいのです。初代RX100のときはフタのロックが効かなくなったので引きちぎってしまったし、RX100m3のときも気付いたらフタのロックが効かなくなってしまって、下取りの時に減額されてしまいました。

 α6000やα6300あたりになると、単なるフタでは無く、開閉がしやすいハードタイプのフタになっているのに、RX100シリーズもあれにしてくれたらいいのに…いや、何なら蓋なしでもいいぐらいなのに…地味ですけど結構大きな不満点です。

やっぱり寄れないレンズ

 これはもう初代RX100からの宿命ですよね。RX100m3あたりで多少改善はされましたが、それでもまだまだマクロは弱いです。「ワーキングディスタンスは最短約5cm、最大撮影倍率0.41倍」とうたっていますが、いずれも”ワイド端”での話。テレ端になると、ワーキングディスタンス30cm・最大撮影倍率0.20倍ですからね…。せめて、0.3倍ぐらいあればもうちょっと使い勝手が良くなるのでしょうが…

バッファ蓄積量の表示っている?

 この秋に発表されたRX100Ⅴ、α99Ⅱ、α6500の3機種で強化されたのがバッファ容量。これにより、バリバリ連写をしても、カード書き込み中にさらなる撮影やプレビュー表示ができるよ!というのがウリになっています。

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 もちろん、それを否定するつもりはないのですが、チョット気になるのが、バッファがたまった状態で表示されるバッファ蓄積量の表示。これって、あと何枚分書き込み出来ていない写真があるのか、というのが表示されるのですが、これって必要ですかね?

 むしろ、バッテリー表示のようにバッファ容量に対して、どれぐらい蓄積しているか…という表記の方がいいと思うんですよね。枚数が表示されたとしても、RAWのみなのか、JPEGのみなのか、RAW+JPEGなのかによって、バッファに対して撮影できる枚数が変わるのですが、それが何枚なのかを考えながら撮影をすることの方が苦痛で、ここでの枚数なんて何の意味も無いですから。せめて、”23/50枚”とかにするか、それともシンプルに”XX%"という表示にするか…何か考えて欲しいですね。

コンデジだからこそ搭載して欲しい5軸手ブレ補正

 もちろん、今のRX100m5でも手ブレ補正が効いていない訳ではありません。実際、普通に液晶モニターに表示をしている状態とシャッターボタン半押しの状態では、ブレ加減が全然違うので、それなりに手ブレ補正は効いています。ただ、コンデジなので、どうしてもポケットから取り出して、片手でパシャッと撮影して…という使い方が多くなってしまうのですが、あとあと写真を見返すと「壮大にブレてるじゃん!」ってのも少なくありません。

 もちろん、「そりゃ片手で撮ってたらブレるだろう!」というツッコミがあるのも分かりますが、だからこそ強力な手ブレ補正が欲しいです。

スマートフォンシンクの落とし穴

 私の中で、M5投入の1つの意義でもあったスマートフォンシンク。実際に、サーキットなんかで使ってみると、良い点と悪い点の両方が見えた感じがあります。

良い点

 やっぱり、何よりもその都度通信をして、データ転送をしなくても、電源がOFFになるたびに自動転送されるというのが一番の魅力です。Eマウント機で16-50mmのパワーズームを使っていると、なかなかレンズが格納されずに、ポケットにしまえないよ!ってことがありましたが、RX100m5では基本的に電源OFFにするとレンズが格納されてからスマートフォンシンクが起動するので、あとはポケットの中で通信をしてくれるのでそれほど苦痛ではありません。

欠点

 明らかに、スマートフォンシンクをオンにしているときとオフにしているときで、バッテリーの持ちが全然違います。実は、RX100m5の買い換えた直後にスーパー耐久があって、スマートフォンシンクをオンにしていたのですが、オフにするのを忘れていました。すると、毎回、電源OFF時にスマートフォンシンクを起動してスマホを探し始めるので、バッテリーの減りが結構早かったんです。

 やっぱり、そういう意味では、完全自動のスマートフォンシンクよりも、NEX-5Tがのちに対応した手動のスマートフォンシンクの方がいいんだけどなぁ…。

バカにできない4K動画

 私的には、α6300で4K動画を初めて経験して、「フルHDと4Kでこんなに違うのか…」と感銘を受けたほどなのですが、このRX100m5も4K動画に対応しています。

 正直、「4K対応と言っても、結局はコンデジだしなぁ…」と思っていましたが、いえいえ、そこはさすがRX100シリーズです。マジで、バカに出来ませんよ。

 むしろ、1インチというセンサーサイズが、動画にもちょうどよくて、ワイド側だと結構全体にピントが合うし、テレ側にいくとほどよく背景がボケるので、普段撮りをするにはとても便利。しかも、NDフィルターを内蔵しているので、動画撮影時もシャッター速度に応じてNDを使い分けることも可能です。

 確かに5分間という時間制限はあるものの、私自身、そんなに動画で長く回すことはあまりありません。しかも、AFは先ほどの像面位相差で心強いわけなので、ちょっとしたことをパパッと撮影するには、これほど心強いものはありません。

 さらに嬉しいのは、4K動画時に同時録画でmp4を作成してくれるということ。最近、SNSでも動画投稿機能が増えていますが、RX100m5で撮影して、スマホ転送して、SNSにそのままアップして…というのが手軽に出来ます。RX100m3の時も出来たのですが、RX100m5では4K動画時でも大丈夫です。これはいいっすわ。

何気に、RX10Ⅳ(仮)が最強機になるのでは…という予感

 実は、RX100m5が発表されたときから思っていたのはここなんですよね。

 RX10Ⅱって、35mm換算で24-200mm F2.8というカメラ好きにとって驚愕なスペックのレンズを搭載しているのですが、唯一残念だったのがAFだったんです。もし、RX10Ⅱに、今回の像面位相差AFのセンサーが搭載されたら、何気に最強カメラになる予感はします。元々、動画にも定評のあるカメラですし、4Kの連続撮影時間も29分までいけます。NDも搭載しているし、電動ズーム。値段もヤバそうですが、スペックもヤバそうです。

 一方、さらに望遠に強くなったRX10Ⅲに像面位相差AFが搭載されたら、35mm換算600mmで像面位相差AFが使える。単純に考えれば、α6000に400mmレンズを装着するようなもの。これ、もしかしたらコンデジでサーキット撮影できるかもしれませんよ。たぶん登場したら、20万円が見えてきそうだけど、Eマウントのボディとレンズを買って…と考えたら安い気がします。ああ、恐ろしや…。

もはやNEX-5Tの存在価値は無い?

 これ、最近ヒシヒシと感じていることなのですが、私の中でNEX-5Tのポジションが危うくなっています。そもそも、私の中ではNEX-5Tって、Eマウントのサブサブ機であり、小型でもそこそこのポテンシャルを秘めているスペシャルサブ的なベンチを温めているポジションでした。

 しかし、RX100m3を購入した時点で、180度稼働液晶が搭載されて、その点の有利性を失い、さらには今回のRX100m5の登場により、AFでも完全にNEX-5Tを凌駕してしまいました。こうなると、ホントでNEX-5Tのポジションって…マジで無くなってしまっています

 それに、今のαシリーズやRX100系のFnキーやメニュー操作に慣れると、NEX-5Tが使いにくくて仕方が無いですし、これ、もう売っちゃってもいいかなぁと密かに思っています。

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